日本ハム・宮西 今季初実戦、前人未到の400ホールドへ全盛期フォームで1回無失点

2024年02月24日 06:00

野球

日本ハム・宮西 今季初実戦、前人未到の400ホールドへ全盛期フォームで1回無失点
<日本ハム・韓国サムスン>3回に登板し無失点に抑えた宮西(撮影・高橋 茂夫) Photo By スポニチ
 【練習試合   日本ハム4―3韓国サムスン ( 2024年2月23日    名護 )】 昨オフにFA権を行使せずに残留したプロ17年目を迎える日本ハム・宮西尚生投手(38)が23日、韓国サムスンとの練習試合で今季実戦初登板した。1回を1安打無失点に封じるなど、上々の仕上がり具合を首脳陣にアピール。今季から引退覚悟で過去3度の最優秀中継ぎ投手賞を獲得した全盛期のスリークオーターの投球フォームに戻すなど、背水の覚悟で残り7と迫る前人未到の400ホールド達成を目指す。
 右足をインステップ気味に踏み出し、左腕をムチのようにしならせる。過去3度の最優秀中継ぎ投手賞を獲得した、宮西の独特のクロスファイアがよみがえった。韓国サムスン戦で今季実戦初登板し、1回を1安打無失点の好投。マウンドでは表情を崩さなかった男が、安どしたように白い歯をこぼした。

 「緊張はしますよ!もちろんね。監督が初球のストライク率を言われていたし、僕がちゃんとやらんかったら“やべえな”というプレッシャーもあった」

 0―0の3回から2番手で登板。先頭打者に初球を右前に運ばれるも、続く左打者はバント失敗。1死一塁から盗塁を試みた一塁走者を捕手・田宮が刺し、最後は再び左打者を右飛に打ち取った。左打者2人をしっかりと無安打に封じ、「もうちょっと行ける。出力も上がれば球持ちも良くなる」と、上昇の手応えを得た。

 近年は左肘痛の影響もあってスリークオーターから、肘に負担のかからないオーバースローに変更。踏み出し足も捕手方向へ真っすぐ出すと痛みは癒えたが、宮西の良さでもあった独特の角度も消えた。昨オフに「2年間50試合登板できなかった悔しさがある。もうつぶれたら引退する覚悟で、昔の投げ方で勝負する」と、覚悟を決めた。

 今キャンプから左肘の位置をやや下に下げ、踏み出し足もインステップに戻す全盛期のフォームに着手。すると、かつての左打者の背後から迫ってくるようなボールの軌道がよみがえった。リードした田宮も「左打者に対しては角度がある。宮西さんを打つのは、左打者はなかなか難しいはず」と、絶賛した。

 肘を下げることで再び左肘痛を発症するリスクもある。それでも、戻すのは残り7と迫る400ホールドを達成するためだ。「自分よりもファンの人のために獲りたい。いつ終わってもいい。そういう覚悟で悔いなく1年間を過ごしていきたい」と宮西。かつてのフォームで、本当の意味での完全復活を果たす。(清藤 駿太)

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