星稜は“山下流”で14年ぶり2日順延を乗り切る 指揮官へ名誉監督である父から金言

2024年03月25日 05:00

野球

星稜は“山下流”で14年ぶり2日順延を乗り切る 指揮官へ名誉監督である父から金言
打撃投手を務めた星稜・山下監督(撮影・大城 有生希) Photo By スポニチ
 第96回選抜高校野球大会は24日、甲子園球場で予定されていた第6日の1回戦1試合と2回戦2試合を天候不良により2日連続で中止とした。試合は1日ずつ順延。準決勝翌日の休養日がなくなり、30日が準決勝、31日が決勝と連戦になる。登場予定だった6校は、甲子園球場の室内練習場で調整。星稜(石川)は、山下智将監督(42)が父・智茂名誉監督(79)の教えを胸に、再度の仕切り直しに臨む。
 室内練習場で行われた星稜の打撃練習を、山下智茂名誉監督が見守った。選抜の2日連続順延は10年以来14年ぶりで、同氏も「2日連続の経験はないかな。晴れ男ですから」と明かす。難しい調整が強いられる、きょう25日の八戸学院光星(青森)との2回戦を前に長男の智将監督へ、金言を送った。

 「監督が焦るのが一番ダメです。監督がどしっとした姿を見せることは、生徒の余裕につながりますから」

 指揮官としての心持ちは、どっしり「静」の姿勢。その一方、選手には自ら動いて働きかけるのが山下流だ。監督時代の智茂氏は、中止時に選手を大阪市内の水族館「海遊館」に連れて行くなどして気分転換を図った。この日の智将監督は、フリー打撃で投手役を務めた。打者に声をかけながら約100球を投じ、最後は選手から「ナイスピッチャー!」と拍手が起きた。

 星稜の選手時代、監督だった父は毎日、打撃投手やノッカーを務めてくれた。自身も冬場は連日、打撃投手を担う。今回は「表情が沈んで見えた」と選手の鼓舞のために投球。「父もよく投げてくれたし、監督が投げると緊張感が出た。そういう願いも込めて投げました」。父を手本に最終仕上げを済ませた。

 智茂氏は「選手に気合を入れたい時に、監督自ら投げるのも一つの手」と目を細めた。「静」と「動」の山下流で、昨秋の明治神宮大会王者の雰囲気が引き締まった。 (河合 洋介)

 ○…山下智茂氏は駒大卒業後の66年に星稜に赴任し、67年から野球部監督に就任。甲子園には72年夏の初出場から春夏通算25度出場し通算22勝を挙げた。最高成績は95年夏の準優勝。松井秀喜(巨人、ヤンキースなど)ら数多くのプロ野球選手を輩出し、05年9月に退任した。総監督を経て、現在は名誉監督。今春選抜で長男の智将監督が甲子園初勝利を挙げ、甲子園での父子勝利を達成した。

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