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強いロッテの昔と今 ボビーのときは投打充実の12連勝 今季は発展途上、伸びしろ大な中での11連勝

2024年06月13日 08:00

野球

強いロッテの昔と今 ボビーのときは投打充実の12連勝 今季は発展途上、伸びしろ大な中での11連勝
ロッテを率いたボビー・バレンタイン監督 Photo By スポニチ
 6月に入って、やや陰りが見えるものの、5月のロッテは強かった。23試合で15勝4敗4分け、勝率・789。5月14日から6月1日までは負けなしで日本一になった05年以来、19年ぶりの11連勝(05年は12連勝)も飾った。
 05年当時のチームを率いていたのはボビー・バレンタイン監督。福浦ヘッド兼打撃コーチ、大塚外野守備走塁コーチ、小野投手コーチらが主力だった。当時と現在のチームの共通点として挙げられるのが「日替わり打線」だ。05年は日本シリーズまで147試合で135通り、今年は12日までの59試合で58通りの打線を組んでいる。

 バレンタイン監督が日替わりで打線を組んだ最大の理由は体調を管理し、故障を予防すること。そして主力が故障した場合に代わりとなる選手を育てること。大塚コーチによると指揮官が連れてきたスタッフがデータを分析し、相性や調子なども考慮しながらオーダーを決める際に助言していたという。

 「プボさんというボビーが経営しているレストランの会計士。裏は取っていないので、本当に会計士かどうかは分からないけど。そのプボさんがデータを分析して相性とか調子を見比べて。今の主流みたいな野球の仕方だった」と大塚コーチ。今ほどテクノロジーは進化していなかったが、すでに現在のアナリスト的な立場でアドバイスする人物がいるなど、一歩進んだ野球を取り入れていた。

 その勝ち方は、今年とは全く違う。当時は福浦コーチを含め3割打者4人を擁し「マリンガン」と呼ばれた強力打線。投手陣もYFK(薮田、藤田、小林雅)と呼ばれた救援の勝ちパターンが確立され、2桁勝利が小野コーチを含め6人も誕生した。当時の12連勝中の総得点は85点(1試合平均7・08点)で、12試合中9試合が3点差以上の勝利だったが、今回の11連勝は総得点が46点(1試合平均4・18点)で、3点差以上で勝利したのは2試合のみ。2点差が5試合、1点差が4試合と、僅差の試合をものにした。限られた戦力を何とかやりくりしながら…、というのが今の実情だろう。

 現状は決して吉井監督の思惑通りではない。ただ、指揮官は目先の勝利よりも、もっと先を見据えている。願うのは荻野、角中ら頼りになるベテランが元気なうちに若手が成長すること。安田、山口を2軍に落としたのも奮起を期待してのことだろう。小川や友杉のように芽を出し始めた選手もいる。気温も上昇して厳しい戦いは続きそうだが、“実りの秋”を楽しみにしている。(記者コラム・大内 辰祐)

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