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ヤクルト・ドラ4鈴木 球団70年ぶり高卒新人先発マスクで球団史上初デビュー戦決勝打

2024年06月13日 05:30

野球

ヤクルト・ドラ4鈴木 球団70年ぶり高卒新人先発マスクで球団史上初デビュー戦決勝打
<ソ・ヤ>4回、2点適時打を放つ鈴木(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【交流戦   ヤクルト9―3ソフトバンク ( 2024年6月12日    みずほペイペイD )】 18歳の新人が、チームを救った。ヤクルトのドラフト4位・鈴木が、プロ初出場初スタメン。大抜てきの重圧に屈することなく、がむしゃらなプレーで勝利の立役者になった。
 「何とか食らいついて、強い気持ちで打った。凄くうれしい」

 1―1の4回2死二、三塁で山田が申告敬遠で歩かされた。相手が満塁策で自分との勝負を選ぶことは想定内。ファウルで3球粘った後、低めのスライダーに食らいついた。左翼・近藤のグラブをはじく決勝の2点打。プロ初安打&初打点もさることながら、高卒新人がデビュー戦で決勝打を放つのは球団史上初の快挙だった。

 正捕手の中村が上半身のコンディション不良で離脱し、前日に1軍に初昇格したばかり。先発出場を告げられたのは、球場入りした後だった。球団の高卒新人捕手が先発出場するのは国鉄時代の1954年の阿井利治以来、70年ぶり2人目。驚いたが「全力でできることをやろう」と自分に言い聞かせた。7回にも左前打を放つと、守備では山野の7回1失点の好投を引き出すリードが光った。

 第1回WBCで侍ジャパンが優勝した06年3月21日に生を受けた。世界一の瞬間をテレビ観戦していた両親は「日本代表のように夢を叶(かな)えてほしい」と願いを込め「叶(きょう)」と名付けた。あれから18年。中継で息子の雄姿を見届けた父・剛さん(48)は「まさか初ヒットで初打点を挙げるとは思っていませんでした。最高にうれしい」と大喜びした。

 鈴木は言う。「いずれは日本代表を目標にできる選手になりたい」。福岡の地で、夢をかなえるための大きな一歩を踏み出した。(重光 晋太郎)

 ◇鈴木 叶(すずき・きょう)2006年(平18)3月21日生まれ、静岡県出身の18歳。西山口小1年から野球を始め、掛川東中では「浜松南リトルシニア」に所属。常葉大菊川では2年春から4番兼正捕手を務め、3年春の選抜出場。高校通算21本塁打。50メートル走は6秒3、二塁送球は1秒8。1メートル81、81キロ。右投げ右打ち。

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