ソフトバンクがAIコーチ導入へ 日本一奪回へ動作解析部門「R&D」をより強化 

2024年11月04日 06:00

野球

ソフトバンクがAIコーチ導入へ 日本一奪回へ動作解析部門「R&D」をより強化 
<D・ソ>日本一を逃しファンへあいさつする小久保監督(右端)らソフトバンクナイン(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【SMBC日本シリーズ2024第6戦   ソフトバンク2―11DeNA ( 2024年11月3日    横浜 )】 SMBC日本シリーズ2024は3日、横浜スタジアムで第6戦を行い、ソフトバンクは2連勝からの4連敗で4年ぶりの日本一を逃した。打線が連敗の始まりとなった第3戦からシリーズワースト記録の29イニング連続無得点と機能しなかった。来季へ向けて打撃部門の体制を見直し、動作解析部門「R&D」をより強化。科学的なアプローチで選手個々のプレー向上を図り、リーグ連覇、日本一奪回を目指す。
 歓喜に沸く敵地で悔しさをかみしめ懸命に前を向いた。小久保ホークスが目指した日本一奪回の挑戦は、開幕2連勝後の悔しい4連敗で幕を閉じた。

 「雨が降って流れが変わるかと思ったけど、なかなかうまくはいかなかった。敗戦の責任は全部僕にある。シリーズを通してDeNAの打線の圧力、つながりを最後まで感じるシリーズでした」。小久保監督は試合前に選手を集めたミーティングで「ここから勝った方がドラマチックで盛り上がる」と士気を高めたが、相手の勢いを止めることはできなかった。

 頼みのエース・有原がDeNA打線の猛攻を浴びた。2回に先頭の筒香に先制ソロを被弾すると、なお2死二、三塁から桑原に2点タイムリーを浴びた。続く3回には押し出し四球を与え、まさかの4失点でKOされた。2番手のスチュワートも乱調。まさかの11失点の大敗となった。

 打線は柳田を3番に戻し、1番・周東から6番・栗原まで開幕時を踏襲したオーダーを組んだ。4点を追う4回に柳田が意地の2ランを放ち、日本シリーズワーストの連続無得点を29イニングで止めたが、反撃はこの一発だけだった。

 この悔しさを胸にリーグ連覇、日本一奪回に向けて前へ進んでいく。その一つが打撃部門の改革だ。今季まで2人制だった1、2軍の打撃コーチを各1人にして、代わりに最先端テクノロジーを駆使した「動作解析」を行うR&D部門が1軍から4軍までサポートしていく形をより強めていく。

 体の動きや使い方を数値化して分析。科学的なアプローチで選手のパフォーマンスを向上させていくのが目的だ。“AIコーチ”の導入ともいえる体制を築いていく。現在、福岡県筑後市のファーム施設では実在する投手の球質を高い再現性で“完コピ”できる「トラジェクトアーク」も稼働している。来季はみずほペイペイドームにも導入する見込みとなっている。

 小久保監督は「胸を張って福岡に帰ってもらいたい」と選手に呼びかけた。4年ぶりの日本一は果たせなかったが、プロ野球歴代7位タイの91勝を挙げて成し遂げたリーグ優勝は色あせない。就任時に掲げた公約の通り、継承した“王イズム”に「孫オーナーの会社」としての最先端技術を取り入れ、来季こそは日本一を奪回する。

 ○…ソフトバンクが日本シリーズで敗れるのは巨人と対戦した00年以来24年ぶり。03年から続いていた出場連続日本一は8でストップした。また、ソフトバンクの合計14得点は6試合で決着したシリーズでは87年巨人、12年日本ハムに並ぶ最少タイ記録と打線が振るわず。第3戦の2回から第6戦の3回まで29イニング連続無得点は、阪神が64年南海第5戦の8回から85年西武第1戦の7回に記録した27イニングを上回る日本シリーズワースト記録となった。

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