【名人戦・第4局1日目】藤井名人 横歩取りらしい大駒乱舞 4年足らずでタイトル戦24都道府県目
2024年05月18日 20:31
芸能
午後は豊島が敵陣へ放った角で、藤井の右金を取って斬り込んだ。その金で藤井飛車を捕獲すると、藤井もその飛車を斬ってさらに角を成り込んだ。横歩取りらしい大駒がお互いの駒台を行き来する華々しい1日目になった。駒の損得はないが、豊島が飛車と駒台に飛車、藤井は馬と駒台に角、銀を置いている。
「別府での名人戦は71年ぶりということで、多くの方に楽しんでもらえると思う」
約300人のファンが集まった17日の前夜祭。藤井が笑顔で語った。別府市での名人戦は1953年の第12期第3局以来2度目。当時の大山康晴名人に升田幸三八段が挑み、升田が勝利した。
今回は藤井の3勝0敗で迎え、初防衛に王手。同時に、20年6月のタイトル戦初出場以来、敗退なしでの22期連続獲得がかかる。そして大分県ではタイトル戦初対局、通算24都道府県目となり、全国47都道府県の過半数に4年足らずで達した。
全冠独占するからこそ、ハイペースで駆け巡った証と言える。ちなみに歴代最多99期の羽生善治九段(53)は47都道府県を踏破済み。89年10月の竜王戦第1局神奈川県対局から94年1月の棋聖戦第4局愛知県対局で24都道府県目。4年3カ月かかったため、今回藤井は「羽生超え」を果たした。しんがりは11年5月の名人戦第3局宮崎県対局だった。