父・義行コーチ万感 二人三脚でつかんだメダル
2012年07月29日 06:00
五輪
シドニー五輪で正式採用された女子重量挙げをテレビで見て、中3だった娘は「私もやりたい」と父に懇願した。そして「冗談だろ」という父の目の前で42・5キロを軽々と挙げてみせた。その重量は父が高1で出した当時の記録だった。「もしかしたら、世界に通用するんじゃないか」。世界を目指して二人三脚が始まった。
高校時代は練習時間を確保するため、車で送り迎え。怒ったこともあったが、09年に父の指導に反発して家出した娘を、優しく迎え入れて以降は、厳しく接するよりも“親離れ”した娘を優しく見守るようになった。2度目の大舞台で輝きを放った娘を見つめるその顔は、コーチというよりも、愛娘を見つめる親父の目に近かった。