津田 亡き父・勤さんと「一緒に滑りたい」
2014年02月12日 05:30
五輪
午前9時ごろ、空港に到着した津田は関係者と談笑しながらリラックスした様子で搭乗の手続きを行った。しかし、五輪への意気込みを問われると表情はキリリ。「ケガなく順調に最終調整ができている。ソチに入ってからもさらに調子を上げたい」と決意を口にした。
特別な思いを胸に五輪に挑む。4歳の時にスキー指導員だった父・勤さんの影響で競技を始めた。いつも一番に応援してくれた父だったが、昨年12月にスノーモービルの事故で59歳で死去。W杯遠征中の突然の出来事だった。津田は悲しみに暮れながらも、五輪代表の座を射止めた。生前に「ソチに行きたい」と話していた父を思い、勤さんが使用するはずだった白山千丈温泉セイモアスキー場(石川県)のシーズン券をソチ行きのバッグに詰めた。「父と一緒に滑りたい」。勤さんの写真入りのシーズン券を見ると力が湧いてくる。
HPは今大会から採用された新種目とあって、一般の認知度はまだ低い。1月のW杯(カナダ・カルガリー)で7位入賞を果たすなど常に最前線で戦ってきた第一人者は「全力を尽くすところを皆さんに見てほしい。少しでも競技の楽しさが伝わればいい」と競技の知名度向上も期す。「(女子モーグルの)上村愛子さんの滑りには感動した。少しでも近づけるようにしたい」。ソチは最初で最後の五輪と決めている。「今までのスキー人生を懸けて臨む」という大舞台。父への思いも乗せて持てる力の全てを出し切る。