旭川中2凍死の再調査委 自殺との因果関係認定 学校と市教委がいじめ対応を意図的回避
2024年07月01日 05:30
社会
![旭川中2凍死の再調査委 自殺との因果関係認定 学校と市教委がいじめ対応を意図的回避](/society/news/2024/07/01/jpeg/20240630s10042000411000p_view.webp)
再調査委は、家族から提供を受けた広瀬さんの交流サイト(SNS)の発信履歴約4000件を分析。亡くなる直前まで恐怖や死に言及されていたことから、いじめ被害に継続して苦しみ、死を決意したと判断した。いじめとの因果関係を認め、市教委側の落ち度をより重く認定した。
遺族側弁護士は公表を受け「要望をはるかに上回る充実した内容で、高く評価したい」とのコメントを出した。
再調査結果などによると、広瀬さんは19年の中学入学後間もなく、性的ないじめを含め、学校のクラス内外で計7件のいじめを受けて心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症。自尊感情の低下などが亡くなる直前まで継続したため「いじめが存在しなければ自殺は起こらなかった」と結論付けた。
広瀬さんには自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)など発達上の特性があり、クラスでの疎外感から先輩らとの人間関係を居場所として求め、いじめ被害を受けたと分析している。
再調査委員会は、尾木氏や野村氏のほか、精神科医の斎藤環氏らのメンバーで構成。22年12月以降、22回にわたり会合を重ねていた。
再調査委は「市の情報管理に懸念がある」として、市長に報告書を提出する答申は予定を延期したと明らかにした。