1800万円絵画「少女と白鳥」も偽物か 四国の美術館、連日のショック ドイツの有名贋作家の作品?
2024年07月14日 04:45
社会
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(秋ごろ調査結果/) 高知県立美術館によると、絵画は1996年に名古屋市の画廊から1800万円で購入。以前、貸し出したことのある徳島県立近代美術館から6月中旬に情報提供を受け、贋作の可能性が発覚した。直近では昨年11月に同館で展示していた。調査を進めており、秋ごろ結果が出る見込み。
担当者は購入の際、カンペンドンクの作品目録でタイトルと制作年を確認。寸法や画像などの情報はなかったが、カンバスが張られた木枠に有名画商が所有したと示すラベルがあったことなどから本物と判断した。取材に「30年近く本物と思っていた」と驚きを隠せない様子だった。
なおベルトラッキ氏は海外で、絵画を偽造した罪で懲役刑になっており、今回もそうなる可能性がある。
≪ベルトラッキ氏とは≫
ベルトラッキ氏とは何者なのか。CNNによると、妻のヘレン氏と30年以上で300点以上の贋作を作り、数百万ドルを手にしたとされる。大半は自身のオリジナル作に、他界した著名画家の未公開作などの題名を付けるという手法だ。
長年あまたの収集家や鑑定士をだませたのは「綿密な調査と細部へのこだわり」だった。著名画家の画風をまねるだけでなく、画家の手紙や日記などからも情報を収集。作品にまつわる歴史をでっちあげ本物と信じ込ませたり、古い額縁やカンバスを使い作品が年代物のように見せた。
しかし、1910年代のものとされる絵を描く際、絵の具に使う亜鉛を切らし、チタンを含む亜鉛顔料を使用。チタンは当時の絵の具に含まれないため、偽造が発覚した。2011年に14点の絵画を偽造した罪で懲役6年の判決を受け、妻と合わせて現在のレートで約60億円もの賠償金の支払いを命じられた。
≪フェルメールでは総額70億円の被害≫
贋作騒動で有名なのは、オランダの画家フェルメール。現存作品数が35点しかない画家だが、1900年代にフェルメールの贋作を作り続けたファン・メーヘレンは、総額約70億円をだまし取ったとされる。
日本国内でもこれまで何度も贋作騒動が発生。1994年に会社役員の女性が、福井県武生市(現越前市)に寄贈を申し出た洋画家の未発表作品38点が贋作だったと発覚。21年には日本画家の東山魁夷、平山郁夫、片岡球子の版画など約120枚の贋作を画商や百貨店に流通させ、男2人が逮捕された事件も起こった。