自民にまた裏金問題 非公認候補者の党支部に活動費2000万円支給 立民・野田代表「国民を欺いている」

2024年10月24日 05:30

社会

自民にまた裏金問題 非公認候補者の党支部に活動費2000万円支給 立民・野田代表「国民を欺いている」
街頭演説で支持を訴える自民党総裁の石破首相 Photo By スポニチ
 自民党が派閥裏金事件を巡り、衆院選で非公認とした候補者が代表を務める党支部に活動費2000万円を支給していたことが23日、分かった。立憲民主党の野田佳彦代表は、事実上の支援に当たるとして強く批判した。裏金事件を巡り自民への逆風がやまない中、表面化した新たな問題。27日の投開票を前に、自民党関係者は「致命傷になりかねない」と頭を抱えた。
 問題発覚の端緒は共産党機関紙「しんぶん赤旗」の報道。15日の衆院選公示直後、非公認候補が代表を務める党支部に、税金を原資とする政党交付金から2000万円が振り込まれたと伝えた。

 報道を受け、自民党の森山裕幹事長がコメントを発表。支給を認めた上で党勢拡大が目的だと説明し「候補者に支給したものではない」と強調。非公認になった三ツ林裕巳氏の事務所は、三ツ林氏が代表の党支部に党本部から2000万円が送られたと明らかにした。受領時期は確認中としている。他の非公認候補の関係者は、受給の有無に関し「お答えできない」とした。

 自民は裏金事件を受け、前議員らのうち12人を非公認とし、このうち9人が無所属で出馬。関係者によると、党支部長を続投する非公認候補8人の党支部にそれぞれ2000万円が振り込まれたという。

 自民関係者は「出馬していない前議員の党支部にも比例票掘り起こしのため活動費2000万円を支給している」と話した。非公認候補や候補がいない支部は公認料を受け取れないが、2000万円は公認料と活動費を合わせて支給された公認候補の支部と同額となる。

 野田氏は福岡市で記者団の取材に応じ「事実上、公認と同じだ。国民を欺いている」と強い口調で批判。自民党内でも、ある公認候補は「非公認候補の支部がわれわれと同額を受け取るのは理解を得られない。形だけ非公認にしたと言われても仕方がない」と憤った。報道各社の調査で自民の苦戦が伝えられる中、石破茂首相は「緊急通達」で勝敗ラインの与党過半数維持へ「全力を尽くして奮闘いただくようお願いしたい」とゲキを飛ばしたばかり。公明党ベテランは「これ以上足を引っ張らないでほしい」と話した。

 ▽政党交付金 政党助成法に基づき、毎年1月1日現在で所属する国会議員の数や過去の国政選挙の得票数に応じて総務大臣に届け出を行った政党に交付される資金。国民から集めた税金が原資となり「国民一人当たり250円」の負担とされる。今年の配分は、自民党が約160億5300万円でトップだった。

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