懲役7年で服役した男性の再審を決定 86年福井市女子中学生殺害事件

2024年10月24日 05:00

社会

懲役7年で服役した男性の再審を決定 86年福井市女子中学生殺害事件
 福井市の中3女子生徒が殺害された事件の第2次再審請求に対する名古屋高裁金沢支部決定を受け、「再審開始」と書かれた紙を掲げる弁護士=23日午前、金沢市 Photo By 共同
 1986年に福井市で中学3年の女子生徒が殺害された事件の第2次再審請求で、名古屋高裁金沢支部(山田耕司裁判長)は23日、殺人罪で懲役7年が確定し、服役した前川彰司さん(59)の裁判をやり直す再審の開始を認める決定をした。確定判決は複数の関係者の供述を有罪の根拠としたが、決定は、自己の利益のためうそを言った疑いがあるなどとして、信用性を否定した。
 前川さんは捜査段階から無実を訴えた。90年に一審福井地裁で無罪判決を受けたが、二審の高裁金沢支部で逆転有罪となり、確定。第1次請求で、高裁支部は2011年に再審開始を認めたが、名古屋高裁の異議審で取り消された。犯人を直接指し示す証拠がない中、確定判決は「前川さんに犯行を告白された」などとする関係者の供述を基に有罪と認定。司法判断ごとにこれらの証言の評価が二転三転する異例の展開をたどってきた。

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