酷暑の東京五輪。完走率60%が示すマラソンの過酷さ
2018年08月29日 08:30
マラソン
今回改めて確認できたのは、酷暑の中でのレースはやはりスローペースになるということだ。アジア大会と五輪ではレベルが違うので優勝タイム自体は参考にならないが、少なくとも日本選手の持ちタイムでも十分競り合える程度まで遅くなることは確認できた。実際、91年に東京で行われた世界陸上での優勝タイムは男子が2時間14分57秒、女子は2時間29分53秒だったから、この程度のタイムなら今の日本勢でも十分手が届く。
世界陸上の時は実際に現場で取材した。9月1日に行われた男子のスタートは午前6時。それでも気温は26度で湿度は73%。ゴール時には軽く30度を超えていた。レースはスローペースで始まったが、途中で棄権者が続出した。日本のエース中山竹通(当時ダイエー)も32キロ手前でリタイア。88年ソウル五輪金メダリストのボルディン(イタリア)も早々に脱落する壮絶なレースとなり、最後は38・4キロの市ヶ谷駅前の上り坂で谷口浩美(当時旭化成)がスパートし、日本人初の金メダルを獲得した。参加60人中24人が途中棄権し、完走したのはわずか36人。完走率は60%。同8月25日に行われた女子も参加38人中14人が棄権し、完走率はやはり63%。いかに過酷なレースだったかがよく分かる。
2年後のスタート時間は午前7時。6時スタートでも6割しか完走できなかったことを考えれば、今回の東京五輪がどれだけ過酷かは言うまでもない。レベルが低いアジア大会にあえて挑戦した日本選手たちが今回の経験をどう生かすか、しっかりと見極めたい。(編集委員)
おすすめテーマ
2018年08月29日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
片山晋呉、プロアマ戦でホールインワン!同伴者と「盛り上がったよ」
-
グリズリーズがガードのシモンズを解雇 昨季「2―WAY」契約で26試合に出場
-
NFLの開幕前ランキング発表 1位は昨季王者のイーグルス 最下位はジェッツ
-
バスケ買春4選手は「1年間の公式戦出場権剥奪」 協会が処分発表
-
カド番・栃ノ心が実戦的な稽古再開 充実感も「相撲を忘れているね」
-
日本体操協会「被害者が暴力を許容しても、協会は許容しない」 パワハラ問題、コーチ処分で見解
-
フェデラーと初対戦の西岡「えげつないポイントがたくさんあった」
-
錦織も危惧する東京五輪の酷暑「それが一番怖い」
-
京大出身の山西、銀メダルも「悔しい」 中国選手のスパートに対応できず
-
錦織、ストレート完勝で初戦突破!世界50位マルテラーを寄せ付けず「いいスタートが切れた」
-
酷暑の東京五輪。完走率60%が示すマラソンの過酷さ
-
東京五輪は大丈夫!?「コート上で死ねない」全米テニスで初の酷暑ルール適用
-
杉田 トンネル抜け出せず「お手上げ状態」
-
大坂なおみ 3年連続初戦突破「今は余計なプレッシャーは感じていない」
-
大坂なおみ 3年連続で2回戦へ 全米オープン
-
乾&吉田組、井村リーダーご満悦の銀!このペアで東京五輪参戦
-
高山、海外初の銅メダルもぎとった 日本勢12年ぶり表彰台
-
飯塚、男子200m決勝進出 決勝に向けて余裕「楽だと思う」
-
坂井&寺内組、安定感演技で銅 日本男子シンクロ種目初表彰台
-
橋本きょうだい、ダブル銅 東京五輪、同時出場に向けて個人へ
-
笹岡、首位で決勝進出 会場魅了で「滑りを完璧に優勝したい」
-
「東京五輪」新種目、10秒差の5位 2走川田「新鮮な感じ」
-
宮川、体操パワハラ問題で会見 18歳の発言に注目が集まる
-
元日馬富士、力士会出席 羽織袴の正装で感謝の言葉を掛ける
-
稀勢、稽古再開 場所に向けて「体をつくって相撲取りたい」
-
大相撲力士会、ちびっこ相撲復活要望へ 夏巡業から一時中止
-
小林元顧問の請求、東京地裁が棄却 「偽造したと推認される」
-
奈良、優位を生かせず今季4大会全て初戦敗退 全米OP開幕
-
張本、ユース五輪で絶対金メダルへ意気込む 欧州遠征から帰国
-
遼、体調不良でフジサンケイクラシック欠場 熱中症が回復せず
-
山崎紘菜、白熱ラグビートップリーグPR 19年へ向けて期待
-
森川さん、3日目終了時首位 108ホールチャレンジゴルフ