37歳・玉鷲、最高齢Vを可能にした“独特の感性” 「相手の力を逃がす感覚」身につけて2度目V

2022年09月25日 17:03

相撲

37歳・玉鷲、最高齢Vを可能にした“独特の感性” 「相手の力を逃がす感覚」身につけて2度目V
<大相撲秋場所千秋楽>高安(左)を攻め、押し出しで破る玉鷲(撮影・久冨木 修)        Photo By スポニチ
 大相撲秋場所は25日、東京・両国国技館で千秋楽の取組が行われ、東前頭3枚目の玉鷲(37=片男波)が西前頭4枚目・高安(32=田子ノ浦)との直接対決を押し出しで制して13勝2敗とし、19年初場所以来21場所ぶり2度目の優勝を決めた。
 年6場所となった1958年以降の最高齢37歳10カ月で優勝。2012年夏場所を37歳8カ月で制した旭天鵬を抜く常識破りの活躍が可能だったのは、常識にとらわれない独特の感性を持つからだ。師匠の片男波親方(元関脇・玉春日)は「玉鷲は30歳過ぎれば衰えるとか、既成概念にとらわれない。不思議な感性がある」と話す。そもそも入門の経緯がちょっと変わっている。かつてホテルマンを目指しモンゴル食科技術大へ入学した。18歳だった2003年秋、日本に留学していた姉を頼って来日。両国で当時幕下だった鶴竜(元横綱、現年寄)と出会い、モンゴル相撲や他のスポーツ経験がほとんどないまま片男波部屋へ入門を決めた。師匠は「よく相撲をやろうと考えたな」と驚いた。

 好きで飛び込んだ世界で、玉鷲の歩みは遅くとも着実だった。30歳の15年春場所で新三役、32歳の17年初場所で新関脇、34歳の19年初場所で初優勝。愚直に磨いた突き押しは今場所も猛威を振るった。平幕として37年ぶりに1横綱3大関を総なめ。師匠は「初優勝した時の方が強い」と断言する一方で「相手の力をうまく逃がす感覚を本場所の土俵で身につけた」と分析する。照ノ富士、明生、御嶽海との対戦では劣勢から星を拾い、馬力の衰えを補う進化を示した。

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