勇退の駒大・大八木監督 寮母を務める妻を気遣う「私が退任しないと休んでもらえない」
2023年01月04日 05:29
駅伝
常勝軍団の監督一筋19年。かつては一方通行だった指導も令和スタイルに変わった。「今と昔は違う。親子の感覚も必要」。徹底的に対話を重ね、何種類も用意した練習メニューを選手自らに選ばせた。時には老体にむちを打ち、自転車で並走することもある。「箱根は選手の人生で大事な舞台」。今年度は選手が目指した3冠という目標に本気で向き合った。エース田沢は「謙虚さ、人間性、全てを考慮して最高の監督」と言った。
95年のコーチ就任以後、指導者として携わった3大駅伝の優勝は今回を含めて史上最多の27度。「こんな幸せな監督いない。選手、スタッフに恵まれすぎた」と笑う。伴走する運営管理車から激励の言葉が響くことは、もうない。だが、卒業後も師弟関係が続く田沢ら、世界へ通用する選手育成は続く。「百里を行く者は九十を半ばとする、という言葉があるが、100回前の99回大会を半ばとして、新たな世界でもう一回やりたい。人生のラストチャレンジをしようかな」。夢は尽きない。
≪駒大OB中畑清氏祝福≫おめでとう。そしてお疲れさま。完全優勝で3冠を決め、そのタイミングで勇退なんて、格好良すぎるよ。しかも、選手、コーチとして育ててきた藤田にバトンタッチ。指導者として、これ以上の引き際はないよ。
私が矢吹町、大八木は会津出身で同じ福島県人。よく飲み、よく語り合った。数年前、業者との距離が近すぎると大学から指摘された時、私は辞任を勧めた。でも大八木は「私に非はありません」と頑として否定し、自分の正義を貫いた。
2年前の箱根優勝、今回の結果を見ると、大八木のそういう姿が学生に伝わったのだと思う。信念と覚悟は大事。改めて感じさせてもらった。(プロ野球本紙評論家、駒大野球部OB会長)
◇大八木 弘明(おおやぎ・ひろあき)1958年(昭33)7月30日生まれ、福島県出身の64歳。会津工卒業後に実業団の小森印刷(現小森コーポレーション)に就職。24歳で駒大夜間部に入学し箱根駅伝は3度出場した。大学卒業後はヤクルトで選手兼コーチとして活躍。95年から駒大コーチに就任し、04年に監督就任。マラソン東京五輪代表の中村匠吾、昨年世界選手権代表の西山雄介ら愛弟子は多数。
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