山内日菜子 史上最大下克上初V「もう一人の日菜子を知っていただけたかな」
2023年03月27日 04:37
ゴルフ
「チャンスを生かせて良かった。地元での優勝は心の底からうれしい。最後まで諦めない気持ちで頑張った」
小学3年から回る“庭”が味方になった。2、3番と連続ボギー先行で後退。それでも「まだバーディーを取れるホールがある」と発奮した。首位に並んで迎えた16番パー3。おにぎりを頬張ったまま放った第1打を5メートルに寄せてバーディーを奪い、単独首位に立った。WBCでガムをかむ選手を見て、「口を動かした方がいいと。もぐもぐしながら打った」と緊張を振り払った結果だった。
昨秋は絶望に打ちひしがれていた。出場資格を争うファーストQTで規定数より多いクラブをバッグに入れてプレーし、計8罰打を受けて失敗。父・克則さん(57)に泣きながら「ごめん」と電話した。当時は「終わった」とまで思ったが、折れなかった。知人からの「ひなちゃんはシードを獲れる力がある」という言葉が、失った自信を思い出させてくれた。「考えが甘かった」と自身と向き合い、弱点のティーショットの持ち球をドローに変えた。つらい経験を無駄にしなかった。
「宮崎の太陽を受けて育つ菜の花のように」と名付けられた26歳。ゴルフ界で「ひなこ」と言えば渋野日向子が随一の知名度を誇るが、「もう一人の日菜子を知っていただけたかな」と笑った。その存在を十分に印象づける、崖っ縁からの初優勝になった。
≪両親も見守り涙≫山内の父・克則さんと母・由美さん(52)はコースで優勝を見守り、涙を流した。克則さんは「うまくいくようにと祈っていました」。昨秋QTで失敗した際には、「1人しかこの経験はできないから一生忘れるな」と伝えて励ましたという。由美さんは「コツコツ地道にやってきて、宮崎でみんなの前で優勝するのは奇跡のようで信じられません」とねぎらった。グリーンサイドには同じ宮崎出身の柏原明日架、脇元華らも駆けつけ祝福した。
▽QTランキング QTは例年11~12月に実施されるクオリファイング・トーナメントの略。この順位であるQTランクに基づき、第1回リランキングまでの前半戦のJLPGAツアーおよび下部ツアーの出場資格が付与される。QTは2ステージ制でファーストの上位者が、ファイナルに進出する形。前半戦にフル出場できる目安は35位前後までで、山内の181位は下部ツアー出場権も厳しい順位だった。
おすすめテーマ
2023年03月27日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
女子ゴルフ・岩井姉妹 大学側の配慮で“2人だけの卒業式”
-
西7位のTウルブスが敵地で6位のウォリアーズを撃破 その差0・5ゲーム 西地区のPO争いは激化
-
元日本ハム・杉谷氏、5人制野球日本代表入りへ意欲?「素敵な発表ができると思う」
-
元日本ハム・杉谷氏がJDリーグのスペシャルサポーター就任 ファンとの距離“ちかすぎや!”目指す
-
古江彩佳2戦連続3位 65で19位から急浮上「7アンダーを出せてうれしい」
-
渋野日向子は半年ぶりのトップ10入り 最終日69で7位「初日がもったいないけどプラスに考えたい」
-
ネッツはマジックに13点差で敗れる 渡辺は12分の出場で2得点と5リバウンド 3Pは1本失敗
-
サンディエゴ州立とマイアミが初のファイナル4へ 地区第1~3シード不在の4強は初めて
-
ジェームズが14試合ぶり復帰もレイカーズ黒星 ベンチスタートは15季ぶり2回目 八村は出番なし
-
神戸競り負け 9得点奮闘の日本代表FB山中亮平「自分たちのラグビーをやれば結果は勝手についてくる」
-
関脇・霧馬山 逆転初V 本割、決定戦で大栄翔に連勝 夏場所に大関獲りへ
-
元霧島の陸奥親方 27年目で悲願達成 霧馬山称える「最後の粘りは稽古の成果」
-
【玉ノ井親方・視点】霧馬山 熱心な稽古で培った足腰の強さ
-
最後は物言いも…大栄翔「悔しい気持ちを忘れずに」大関獲り争いは負けられない
-
朝乃山 十両13勝もV逸「悔しい思いを来場所にぶつけたい」
-
逸ノ城 十両優勝 1場所で幕内復帰確実
-
新入幕金峰山 11勝で敢闘賞「自分の相撲を取ろうと思った」
-
東大初の力士・須山 昇進確実に 序二段から三段目へ
-
山内日菜子 史上最大下克上初V「もう一人の日菜子を知っていただけたかな」
-
宇野昌磨「自分の魅力を何か自信を持って言えるスケーターになりたい」