スクワットの失敗談まとめ「膝が痛い」「前ももだけ筋肉痛」「痩せない」…
2023年06月13日 12:00
筋トレの王道スクワット。下半身を鍛えるほか、ダイエットのために取り入れている人も多いでしょう。手軽にできるからこそ、間違ったフォームで続けてしまいがち!
そんなスクワットでよくある失敗談をまとめてピックアップ! “あるある”の原因と改善ポイントも解説します。
スクワットの失敗談「前ももだけ筋肉痛」
太ももの裏やお尻に効かせたいのに……
太ももの前側が筋肉痛になるのはよいのですが、問題は他の部分は筋肉痛になっていないというところ。もしかすると、フォームの崩れで前ももにしか刺激が入っていないかも。
ちなみにスクワットで鍛えられる部位は、以下の通り。
- お尻(大臀筋)
- 太ももの前側(大腿四頭筋)
- 太ももの裏(ハムストリングス)
- ふくらはぎ(ひふく筋・ヒラメ筋)
- 背中(脊柱起立筋)
前ももばかり鍛えられてしまう原因
原因1.前のめりで行っている
スポーツクラブメガロスのトレーナー・阿部佳之さん曰く、背中の柔軟性が低いと前後にバランスよく荷重を掛けることができず、膝が前に出やすいフォームにつながります。
すると前のめりになりやすく、前もも(大腿四頭筋)にばかり刺激が入ってしまうことに。
猫背の人や体が硬い人がなりやすいとされているので、背中や太もも、お尻のストレッチを行い、柔軟性を高めてからスクワットに取り組むとよいとしています。
壁スクワットで感覚を掴もう
どうしても膝が前に出てしまう人は、壁の前でスクワットをしてみましょう。壁があるので膝を前に出せず、代わりに自然とお尻を後ろに突き出すような姿勢になるはずです。
動画だと、動きが分かりやすいかと思います。
原因2.足幅が小さい
足を広げる幅は「肩幅」が目安です。足幅が小さいと、つま先が正面を向きやすくなり、フォームの崩れにつながります。
足幅を肩幅より広くする「ワイドスクワット」にすると、内もも(内転筋)に効きやすくなります。
原因3.すばやく行いすぎている
スクワットを素早く行いすぎると、フォームの崩れに繋がりやすくなります。
筋トレを素早く行う「クイックリフト」というテクニックもありますが、正しいフォームで行わなければ、効果が出るどころか膝や股関節の痛みを引き起こしかねません。
ややゆっくりめに、以下のポイントを意識しながら行いましょう。
- 膝はつま先より前に出ていないか
- 前のめりになっていないか
- 膝から動いていないか(股関節から動く)
- つま先は浮いていないか(足裏全体を床につける)
スクワットの失敗談「膝が痛い」
スクワットで膝が痛くなる原因
原因1.膝で動いているから
膝の痛みを引き起こす原因として考えられるひとつは、シンプルに「腰を落とすとき、膝から動いている」です。
スクワットは、股関節を折り曲げるように動かして腰を落とすのが正しい動作です。股関節ではなく膝から動かすと、膝を曲げ伸ばしするだけの屈伸運動になりがち。これでは下半身に刺激が入らず、膝関節に負担をかけてしまいます。
イスに腰かけるのと同じで、お尻を後ろへ突き出すように股関節から動かしましょう。
コツを掴まないとなかなか難しいかもしれません。その場合は、イスに座り、イスから立つ動作をチェックしてみましょう。パーソナルトレーニングでも行われている指導方法です。
原因2.足首を柔らかくして股関節とともに使う
また、スクワットでは股関節以外に足首も使います。股関節や足首が使われていなければ、体重をすべて膝で支えることとなり、膝の痛みが発生します。
原因3.しゃがんだときに膝がつま先より前に出ている
腰を落としたとき、膝がつま先より前に出ているのも原因として考えられます。とくに、運動不足の人は関節の可動域が狭く、筋肉が硬くなっているので、関節部分に大きく負担がかかります。
また、前ももばかり鍛えられ、お尻や太もも裏などに刺激が入りにくくなるNGポーズです。
原因4.膝が内側に入っている
膝が内側に入ってしまうことで、膝関節に負担がかかります。また、内股で行うと内ももの筋肉である「内転筋」にばかり力が入ってしまい、お尻や太もも前後、ハムストリングスなどの筋肉に刺激が入らなくなります。
スクワットで起きる膝の痛みを予防する方法
正しい姿勢を保ち、股関節と足首を使って動作を行うことで膝の痛みを防ぐことができます。
対策1 スクワットを正しいフォームとやり方で行う
- 足を腰幅に開き、つま先は膝と同じ向きにする
- お尻を後ろへ突き出すように、股関節から折り曲げる
- 太ももが床と平行になるまで下ろしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る
肩甲骨を寄せて下げ、自然な背筋を保つ。膝がつま先よりも前に出ないよう注意!
どうしても膝が出る……
どうしても膝が前に出てしまう人は、壁の前でスクワットをしてみましょう(壁スクワットが最強すぎる!)。壁があるので膝を前に出せず、代わりに自然とお尻を後ろに突き出すような姿勢になるはずです。
対策2 スクワット前に可動域を広げるストレッチを行う
とはいえ、筋肉が硬く、関節の動く範囲(可動域)が狭くなっている場合、正しい姿勢と動作ができないことも。その場合は、筋トレ前にストレッチを行うと効果的です。
股関節まわし、足の振り上げ、足首まわしなどがおすすめです。
股関節ストレッチ(左右20秒)
腰のストレッチ(30秒)
足首ストレッチ:かかと立ちで歩く(60秒)
しゃがみこむだけでも股関節まわりをほぐすことができます。
スクワットの失敗談「姿勢がぐらつく」
スクワットでぐらついてしまう原因
スクワットで体のバランスを崩してしまう理由は、以下が挙げられます。
原因1.動作の途中でかかとが浮いている
腰を落とすとき、かかとがしっかり地面についているか確認しましょう。かかとが浮いていると、体重が前に移動してしまい、バランスが崩れます。
もちろん、つま先が浮いているのもよくありません。
原因2.足幅が狭い
足を開いている幅が狭すぎると、フォームの崩れにつながります。肩幅より狭くなっていないか確認しましょう。
原因3.腰まわりや股関節、足首の柔軟性が低い
腰まわりや股関節、足首が硬いと、姿勢がぐらつくだけでなく深くしゃがめない、膝がつま先より前に出てしまうなどさまざまなフォームの崩れにつながります。
スクワットフォームのバランスを崩さない方法
スクワット中の姿勢は、以下の方法で安定させることができます。
足幅を広げる
足の幅を肩幅、または肩より大きく広げて行いましょう。安定性がぐっとアップするほか、膝が前に出るのを防いでくれます。
足幅を広げた「ワイドスクワット」は、通常のスクワットより内もも(内転筋)に多く刺激が加わります。また、股関節の柔軟性も高めることができます。
左:肩幅/右:肩幅より広げる
動作をゆっくりと行う
速く動作を行うと、フォームが崩れやすくなります。少しゆっくりした動作を心がけることで、バランスを取りやすくなるでしょう。
お腹まわりに力を入れて行う
下っ腹にグッと力を入れて行うことで、体のぐらつきを抑えることができます。この方法は、ヨガや体幹トレーニングなどでぐらつくときも活用できます。
腰まわりや股関節、足首のストレッチを行う
スクワットを行う前に、これらの箇所の筋肉をほぐしておくと、フォームや動作が安定するほか、膝関節への負担も減らすことができます。
スクワットの失敗談「足が太くなる」
スクワットで足が太く見えてしまう原因
膝が前に出すぎているから
スクワットを行うとき、膝がつま先より前に出ていると、太もも前側の筋肉である「大腿四頭筋」に刺激が入りやすくなります。
前ももばかり鍛えられると、大腿四頭筋が張り、たくましい足に見えてしまいます。パンツスタイルが映える体型ではありますが、スリムな脚にしたい人には「効かせたいのはそこじゃない!」という結果に。
また、膝がつま先より前に出ていると膝関節の痛みを引き起こします。前のめりにもなりやすく、かかとが浮くなどフォームの崩れも。
前ももばかり筋肉痛になってしまう人も、膝が前に出すぎている可能性が高いでしょう。
大腿四頭筋ばかりに刺激を与えないようにするには
スクワットは大腿四頭筋にも必ず刺激が入る種目ですが、そこばかり鍛えないようにするには、以下のポイントを抑えた正しいフォームで行いましょう。
- 足は肩幅まで広げる
- つま先は膝より前に出さない
- しゃがむときは膝ではなく股関節を動かす
- お尻を後ろへ突き出すように動かす
- 両膝はやや外側に開く
この場合も、壁やイスを活用してフォームの感覚を掴むとよいでしょう。
後ろにイスを置き、腰かける動きを真似る
椅子を後ろに置き、腰かける動作を繰り返すことで、腰を落とす高さや、股関節からしゃがむ感覚も掴めるでしょう。
椅子に浅く腰掛けるようにします。動画でも動きを確認してみてください。
どうしても前ももに力が入りやすい人は、足幅を大きく広げた「ワイドスクワット」にすると、太もも内側の内転筋が刺激され、スリムな太もも作りに役立つでしょう。
スクワットの失敗談「痩せない」
スクワットを続けているのに体が引き締まらない原因
スクワット“しか”やっていないから
筋トレは引き締まったボディラインを作るために必須です。また、筋トレを行うことで筋肉量が増え、基礎代謝向上による脂肪燃焼とリバウンド防止が期待できます。スクワットで鍛えられる筋肉は大きい部位のため、効率よく筋肉を増やすには適切な種目と言えます。
しかし、スクワットだけ行っていても消費カロリーは多くありません。ダイエットを狙う場合、まず今ついている脂肪を落とす必要があります。
そのためには有酸素運動と食事コントロールも不可欠です。有酸素運動で脂肪を落とし、食事コントロールで栄養バランスを整えつつ、筋トレで理想のボディラインを作りつつリバウンドを防ぐと考えることができます。
有酸素運動と筋トレ、どちらを優先するか
パーソナルトレーニングジム『かたぎり塾』取締役・佐藤凌さんによると、どちらかといえば筋トレメインがおすすめとのこと。
「筋トレは短期的にも長期的にも消費カロリーを上げるだけでなく、筋肉量が増えることで見栄えも良くなります。有酸素運動は消費カロリーを上げる、心肺機能を高めるのに効果的ですが、多く行うと筋肉量の低下に繋がります。メインは筋トレ、補助的に有酸素運動を消費カロリーアップとして取り入れるのがおすすめです」(佐藤さん)
有酸素運動を行うことで筋肉量の低下を危惧する人もいるでしょう。それを最小限にとどめるためにも、筋トレをメインに行うとよいとしています。
「ダイエットで体重を落としていくと、一緒に筋肉量も減少します。筋肉量が減少すると、基礎代謝が下がってしまうため、痩せたとしても太りやすい体を作ってしまいます。有酸素のみでなく、筋トレを優先して行うことで太りにくい体を作っていきましょう」(佐藤さん)
- 筋力トレーニング:筋肉量が増えて代謝は上がるが、トレーニング中の体脂肪燃焼はゆるやか
- 有酸素運動:体脂肪は減りやすいが、筋肉量も落ちやすい
ダイエットには食事コントロールが重要
また、いくら運動をしても消費カロリー以上に食べていてはダイエット成功は難しいと考えます。「ダイエットは運動2割・食事8割」というように、食事と向き合う時間は運動よりも多く、ダイエットにおいてとても重要です。
一般的に、運動は週2~3回に対し、食事は1日3回×7日間=21回。
運動も大切ですが、食事と向き合う時間は運動よりも多いため、ここを変えることでダイエットに大きな変化をもたらすと考えられます。
正しいフォームで行っていないから
スクワットをしても体に変化が見られない原因のひとつに、フォームとやり方が正しくできていないという可能性も考えられます。
スクワットに限らず、筋トレは正しいフォームとやり方で行わないと、狙った部位に刺激が加わらず、期待した効果が望めないことがよくあります。
あるあるパターン:膝だけ動いている
よく見られるのが、膝だけ動いて単なる屈伸運動になっているパターン。膝を痛める原因にもなりますし、お尻や太ももに刺激が入らなくなってしまいます。
あるあるパターン:膝がつま先より前に出ている
膝がつま先より前に出ているパターンも多く見られます。太もも前側の筋肉である「大腿四頭筋」に刺激が入りやすくなり、大腿四頭筋が張り、たくましい足に見えてしまいます。
あるあるパターン:姿勢がぐらつく
足裏が床から離れ、かかとやつま先が浮いていると、姿勢がぐらつき、正しい動作が難しくなります。また足幅が肩幅より狭くなっている場合も、フォームの崩れにつながります。
スクワットの正しいフォームとやり方
- 足を肩幅に開き、つま先と膝をやや外側に開く
- 背筋を伸ばし、足裏をしっかり床につけたまま、股関節から折り曲げるように腰を下ろす
- 太ももが床と平行になるまで下ろし、ゆっくりと元の姿勢に戻る
15回×3セット行いましょう。
<Text:編集部>
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