MVPのヨキッチが記録面でも快挙 今プレーオフ個人記録3部門の累計1位は史上初

2023年06月13日 15:04

バスケット

MVPのヨキッチが記録面でも快挙 今プレーオフ個人記録3部門の累計1位は史上初
ファイナルでMVPとなったナゲッツのヨキッチ(AP) Photo By AP
 ナゲッツをファイナル初優勝に導きMVPに選出されたニコラ・ヨキッチ(28)は「このチームでは誰かがいつも誰かに寄り添っていた。バラバラじゃなかった。それが大事なときにより大切な意味を持った」とチームワークの勝利をアピール。高校時代から交際していたナタリヤ夫人や21年9月に生まれたばかりの長女オニエナちゃん、さらに2人の兄が見守る前で歓喜にひたっていた。
 この日の第5戦ではチームの3点シュートの成功率が17・9%(28本中5本)と低迷し、ターンオーバーも19回犯すというミスの多い試合。しかし土壇場で貴重なオフェンス・リバウンドやスティールを記録したのはブルース・ブラウン(26)やケンタビアス・コールドウェルポープ(30)といった選手で、ヨキッチとジャマール・マーリー(26)の二枚看板が執拗なマークにあって苦しむ中で、最後はチーム一丸となった戦いでヒートを退けた。

 「チーム全体としてシュートは入らなかったけれど、最後に結果を残せた」と試合を振り返ったヨキッチは28得点、16リバウンド、4アシストをマーク。今ポストシーズンでは20試合に出場したが総得点(600)、総リバウンド(269)、総アシスト(190)はすべてリーグ1位で、これはNBAのプレーオフではマイケル・ジョーダン(元ブルズ)でさえ達成できなかった快挙となった。

 ヨキッチは2014年のドラフト全体41番目(2巡目)で指名されたが、ファイナルでMVPとなった選手の中では、1979年のデニス・ジョンソン(スーパーソニックス=76年全体29番目)よりも下位。最も後方から“勲章”を手にした選手にもなったが「41番目指名って言うけれど、ヒートの中にはドラフト外で入団した選手が何人かいたじゃないか(4人)。ここまで来ればそんなことは関係ないんだ」と本人は“過去の経歴”がもたらすもうひとつの偉業には興味を示さなかった。

 今ポストシーズンでの平均得点はヨキッチが30・0でマーリーは26・1。2人が25得点以上を記録したのも史上初めてで、マーリーは「JOK(ヨキッチ)が圧倒的な選手になるとは誰も思わなかったけれど、すべての試合を通して今やそれ以上になった」と頼もしいセンターを絶賛した。

 AP通信のティム・レイノルド記者は「スローでジャンプできない、他の選手を圧倒する運動能力もない。でももうそんなことは関係ない。彼に関する“論争”はこれで終わった。彼はスマートで決して利己的なプレーには走らず、防御不能の選手になった」と優勝原稿の中でヨキッチの能力を高く評価。NBAファイナルの歴史に残る優れたMVPであることを記している。

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