全米騒然!?永野って誰? 世界ランク522位日本0勝の35歳が8位浮上 上位に「想定外」笑顔

2023年06月19日 02:30

ゴルフ

全米騒然!?永野って誰? 世界ランク522位日本0勝の35歳が8位浮上 上位に「想定外」笑顔
通算4アンダーの8位に浮上した永野(AP) Photo By AP
 【米男子ゴルフツアー全米オープン第3日 ( 2023年6月17日    米カリフォルニア州 ロサンゼルスCC=7421ヤード、パー70 )】 大会初出場の永野竜太郎(35=フリー)が12位から1イーグル、3バーディー、3ボギーの68で回り、通算4アンダーの8位に浮上した。トップとは6打差。日本ツアー未勝利の35歳が、メジャー史上最高の賞金総額2000万ドル(約28億円)を誇る世界最高峰の舞台で躍動している。松山英樹(31=LEXUS)は67と伸ばし、通算2アンダーの12位。リッキー・ファウラー(34=米国)ら2選手が通算10アンダーで首位に並んだ。
 名門・ロサンゼルスCCの各所で「永野って誰?」との声が広がった。主催の全米ゴルフ協会広報、観客、米メディアまで。ビッグネームぞろいのトップ10に「NAGANO」の文字。ツアー未勝利で初出場、世界ランク522位という無名の日本人選手が上位戦線に加わった。

 「めちゃくちゃ楽しんでます。この位置?想定してないでしょ。全然、想定外」。35歳はそう豪快に笑った。

 日本予選を勝ち抜き、つかんだ舞台。順位やスコアの目標はない。「自分の今持っている力でどれだけ戦えるかを知りたい」。まさに無欲に戦っている。21年全英オープン以来、自身2度目のメジャーで初めて進んだ決勝。8番パー5ではグリーン左の砂が交じった深いラフから、残り20ヤードを60度ウエッジでカップに放り込むイーグルで観客を沸かせた。68と着実に伸ばし、日本勢最上位をキープして1桁順位に浮上した。

 ゴルフの名門・東北福祉大出身で、2年時の08年にプロ転向した。飛距離が武器で、プレースタイルは一言で表すと「大味ですよ」という。今大会ここまでの平均310・3ヤードは全体29位と米ツアー勢に引けを取らない。実際この日も、パー5の3ホール全てでバーディー以上を奪った。

 今大会はメジャー史上最高の賞金総額を誇る。現在の単独8位の獲得賞金は59万864ドルで、日本円にして約8400万円。これは日本ツアー賞金ランクにも100%加算(50%以上の大会に出場した場合)されるため、一気にトップに立つこととなる。もちろん永野自身は「それは気にしていない」。最終日は東京五輪金メダリストのシャウフェレ(米国)と回る。最後の18ホールも変わらず、無欲で戦う。

 ◇永野 竜太郎(ながの・りゅうたろう)1988年(昭63)5月6日生まれ、熊本県出身35歳。10歳からゴルフを始め、幼少期は祖父が経営する牧場につくられた練習場で腕を磨いた。茨城・水城高を経て東北福祉大2年時の08年にプロ転向し、12年に初シードを獲得。18年にシード落ちも翌年に復帰した。21年パナソニック・オープンでは当時アマの中島啓太にプレーオフで敗れた。武器は飛距離で昨季平均301.20ヤードは5位。1メートル81、85キロ。

おすすめテーマ

2023年06月19日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム