ドルーリー朱瑛里 中国高校総体2冠 増田明美さん「日本の宝だから、大事に守っていかないといけない」

2023年06月19日 06:00

陸上

ドルーリー朱瑛里 中国高校総体2冠 増田明美さん「日本の宝だから、大事に守っていかないといけない」
ドルーリー朱瑛里(23年1月撮影) Photo By スポニチ
 【陸上・中国高校総体最終日 ( 2023年6月18日    岡山・シティライトスタジアム )】 女子800メートル決勝が行われ、岡山県高校総体2冠のドルーリー朱瑛里(しぇり、津山1年)が2分8秒72をマークして優勝した。自己ベスト(2分9秒47)を更新する快走で、16日に中国高校記録で制した1500メートルと合わせて2冠を達成。7月22日に開幕する全国高校総体(陸上は北海道開催)に2種目で出場することが決まった。
 最初から最後まで、ドルーリーが先頭で駆け抜けた。同日の準決勝を1組2位で通過。1500メートルも含めると、この決勝が3日間で5レース目となったが、スタートの号砲から一気に飛び出す。トップを維持したままラスト200メートルでスパートをかけ、後続とのリードを広げた。

 「決勝のレースを楽しみに迎えることができました。結果として勝負に勝つことができ、記録もついてきました」

 走り終えた後、大会側を通じてコメントした15歳。この2種目を中国高校総体の同一大会で制するのは、のちに大阪国際女子マラソン2位などに輝いた07年の小原怜(興譲館)以来、16年ぶり3人目の快挙となった。

 今年1月15日の全国都道府県対抗女子駅伝で区間新記録を出し、17人抜きを演じて大きな注目を集めた。この日、テレビの取材で駆けつけた84年ロサンゼルス五輪マラソン代表で解説者の増田明美さんは「日本の宝だから、大事に守っていかないといけない」と称賛。その上で、中長距離ランナーとして優れているポイントを説明した。

 「走りが柔らかくなった。(都道府県対抗女子)駅伝の時は硬かったけど、良い練習ができているんだと思う。トラックでも駆け引きせず、強気で素晴らしいです。私が大好きなのは彼女の腕振りで、後ろに引けている。私も天才少女と言われた頃に凄く練習したけど、彼女は(小学生時代に)100メートルをやっていたから、既にできている」

 高校1年生ながら、800メートルと1500メートルの2種目で全国の舞台に立つドルーリー。さらに成長を続ければ、28年ロサンゼルス五輪への期待も高まってくる。(西海 康平)


《ドルーリー朱瑛里(しぇり)》
 ☆生まれ 2007年(平19)11月16日生まれ、岡山県津山市出身の15歳。カナダ出身の父、日本人の母の間に生まれる。

 ☆競技歴 小学4年時に陸上クラブの津山ジュニアに加入。当初は短距離中心だったが、小4の終わりごろにリレーマラソン大会の練習をしていた際に才能を見込まれ、中長距離を走るように。中学時代は400メートルから3000メートルまでをこなし、昨年の全国中学校体育大会1500メートルで4分23秒79で優勝。

 ☆憧れ 東京五輪1500メートル8位入賞の田中希実(ニューバランス)が大好き。

 ☆高校 今春に鶴山中を卒業して地元の津山高に入学。5月の岡山県高校総体では800メートルと1500メートルで優勝し、1600メートルリレーでも同校の中国高校総体出場に貢献。

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