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【玉ノ井親方 視点】大関獲り狙う若元春6勝目も「大事に取ろうとしすぎて立ち合いの当たりに圧力がない」

2023年07月16日 19:08

相撲

【玉ノ井親方 視点】大関獲り狙う若元春6勝目も「大事に取ろうとしすぎて立ち合いの当たりに圧力がない」
<大相撲名古屋場所8日目>琴ノ若(左)と激しくぶつかる若元春(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【大相撲名古屋場所8日目   ○若元春(寄り切り)琴ノ若● ( 2023年7月16日    愛知・ドルフィンズアリーナ )】 勝ちたいというよりも、負けたくないという意識が強すぎるのか。若元春はまだ立ち合いの当たりが、本来のものではない。大事に取ろうとしすぎて、思い切りの良さが出ていない印象だ。
 琴ノ若戦も自分の形をつくりにいくというよりも、相手の形にさせないようにという消極的な当たりだった。そのため圧力が伝わらず、いったん土俵際まで押し込まれた。ただ、そこからの反転攻勢は見事だった。左脇を締めて琴ノ若のもろ差しを許さず、そのまま左を深く入れて相手の上体を起こす。さらに腰を振って上手を取られないように防御し、自分十分の左四つの形をつくってから一気に寄り切った。

 大関昇進の目安となる直近3場所33勝をクリアするには今場所12番勝たなければならない。ただ、それを考えすぎると自分の相撲が取り切れなくなる。私も同じような経験があるので意識するなといっても難しいのはよく分かる。

 今はとにかく目の前の一番に集中してまずは勝ち越し、それから2桁というようにあまり先を見すぎないようにすることだ。本場所は長い。相手よりもまずは自分との闘いに勝つ必要がある。
(元大関・栃東)

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