×

若元春 福島魂で6勝目 母が地元デザインした新化粧まわしで気合

2023年07月17日 04:50

相撲

若元春 福島魂で6勝目 母が地元デザインした新化粧まわしで気合
琴ノ若を寄り切りで破る若元春(右)(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【大相撲名古屋場所8日目 ( 2023年7月16日    愛知・ドルフィンズアリーナ )】 大関獲りに挑む関脇・若元春が小結・琴ノ若との2敗対決を制して6勝目を挙げた。けんか四つの相手に得意の左を差し勝って完勝。同じく大関昇進を目指す関脇・豊昇龍と平幕の錦木、北勝富士の3人は1敗を守った。新大関・霧島は敗れて2勝4敗2休と苦戦している。
 完成された型を持つ力士の強さが表れた。若元春は琴ノ若の圧力に土俵際まで後退したが、差し手争いに勝った瞬間に形勢逆転。すぐに両まわしを引き付け、相手に上手を引く隙を与えず一気に寄り切った。「左をなんとかねじ込めたので」。勝因は明らかだった。

 完勝にも「土俵際が雑になった。もっと引き付けて腰を落とさないと」と反省は忘れない。左四つでの白星はこれが今場所3つ目で「自分の型に持ち込めない時のもろさ、弱さが特に際立っている」と厳しい自己評価で前半戦を振り返り、内容のさらなる改善を求めた。

 この日の土俵入りでは、地元後援会から贈られた新しい化粧まわしを締めた。母・大波文子さんがデザインしたもので、福島県の形や、しこ名にちなんで「春」をイメージした桜などがあしらわれている。「郷土のものが化粧まわしになったのは初めてなのでうれしい。より一層頑張らないといけない」。勝負の場所で、地元の思いを力に変えることを誓った。

 ちょうど1年前は上位初挑戦で、幕内在位10場所中唯一負け越した場所でもある。2年前はまだ十両だったこともあり「いま関脇の地位にいること自体が奇跡のよう」と急成長した自身の現在地に実感は湧いていなかった。6勝2敗で折り返し、大関昇進ノルマの12勝を目指していく後半戦へ。場所前に「現実味はない」と謙遜していた大関昇進の夢が、少しずつ現実味を帯びてくる。(前川 晋作)

この記事のフォト

おすすめテーマ

2023年07月17日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム