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アルカラス 20歳72日ウィンブルドン初制覇 ジョコビッチ破った世代交代だ

2023年07月17日 06:16

テニス

アルカラス 20歳72日ウィンブルドン初制覇 ジョコビッチ破った世代交代だ
ゲーム中に雄たけびを上げるアルカラス(AP) Photo By AP
 【テニス・ウィンブルドン選手権最終日 ( 2023年7月16日    オールイングランド・クラブ )】 テニスの四大大会第3戦、ウィンブルドン選手権・男子シングルス決勝が16日行われ、第1シードのカルロス・アルカラス(20=スペイン)が第2シードのノバク・ジョコビッチ(36=セルビア)を1―6、7―6、6―1、3-6、6-4で破り、5連覇を阻止。優勝賞金235万ポンド(約4億3000万円)を手にした。ジョコビッチはロジャー・フェデラー(スイス)と並ぶ男子最多8度目の大会制覇はならず、世代交代を印象づけた。
 20歳72日での大会初制覇。1968年、オープン化以降のこの種目ではボリス・ベッカー(ドイツ)の17歳227日、ビョルン・ボルグ(スウェーデン)の20歳27日に次ぐ年少記録となった。

 王者を徐々に追い詰めていった。第1セットこそ一方的に失ったが、第2セットで気持ちを切り替えた。強烈なサーブから前後左右に動き、ジョコビッチのミスを待った。攻めつつ、辛抱する。アルカラスらしさが徐々に出始めた。

 第2セットをタイブレークの末に奪うと、そこからアルカラスの動きが変わった。ポイントとなったのは第3セット、第5ゲーム。25分を超える大勝負となり、13度のデュースの末、ブレークしてみせた。このセットを6―1で奪う。第4セットは3-6で落としたが、迎えた最終第5セット。第3ゲームをブレークして抜け出すと、第4ゲームはラブゲームでキープ。第6、第8ゲームもキープして迎えた第10ゲーム。優勝を決めた瞬間、コートに倒れ込んで喜んだ。

 アルカラスは「夢がかなった。素晴らしい相手と戦えた自分を誇りに思う。自分がテニスを始めた時、もうジョコビッチは優勝していた。そんな相手と戦えて本当に素晴らしいことだ」と語った。

 勝ち抜くごとに強くなっていった。今大会が芝コート4大会目だったが徐々に適応。多彩な攻撃を繰り出し、準々決勝、準決勝ともストレート勝ちした。そして迎えた決勝。アルカラスは6月の全仏オープン準決勝でもジョコビッチと対戦したが、後半、体がけいれんして敗れた。このとき、肉体的に苦しくなったのは、ジョコビッチからジワリジワリと与えられる精神的なプレッシャーがゲーム中に蓄積していったためと認めている。今回の決勝ではこれまでと考え方を切り替えて臨むと試合前に明かしていた。

 4時間42分の激闘の末、初のウィンブルドン決勝で頂点を極めた。1966年のマニュエル・サンタナ、2006、08年のラファエル・ナダルに次ぐ、3人目のスペイン人王者となったアルカラス。そのナダルは来季限りで現役引退する。新時代の到来を予感させた。

 ▼ジョコビッチ アルカラスを称賛したい。試合の終盤は本当に質の高いプレーをしていた。今日は彼が勝つにふさわしい。芝でも難敵になった。敗戦はなかなか受け入れがたいものだが、非常に素晴らしい相手に負けたと思う。もっと強くなりたい。

 ◆ウィンブルドン選手権はWOWOWで全日生放送。日本人選手の試合はWOWOWオンデマンドで全試合ライブ配信

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