女子やり投げ・北口 日本勢初の年間女王! 余裕の逃げ切りVで最高峰シリーズファイナル制した

2023年09月18日 04:22

陸上

女子やり投げ・北口 日本勢初の年間女王! 余裕の逃げ切りVで最高峰シリーズファイナル制した
陸上のダイヤモンドリーグ・ファイナル女子やり投げで優勝し、笑顔でトロフィーを掲げる北口榛花 Photo By 共同
 【陸上ダイヤモンドリーグ(DL)ファイナル第1日 ( 2023年9月16日    米オレゴン州ユージン )】 世界最高峰シリーズの年間上位者で争い、女子やり投げで世界選手権金メダルの北口榛花(25=JAL)が2投目で63メートル78をマークし、初優勝を飾った。ファイナル制覇は全競技を通じて日本勢で史上初の快挙。DLは今季4勝目、通算6勝目となった。男子3000メートル障害で世界選手権6位の三浦龍司(21=順大)は8分15秒45で5位だった。
 また1つ勲章を加えた。8月に世界選手権を初制覇したばかりの北口が、今度は最高峰シリーズの年間女王に輝いた。快進撃を続ける25歳の日本記録保持者は、満面に笑みを浮かべてトロフィーを掲げ「今日必要だったのは勝つこと。しっかりこの場で勝てたことが、凄くうれしい」と声を弾ませた。

 得意の6投目でのドラマは必要なし。地力の強さが光る完勝だった。欧州から大会前々日の14日に米国入り。連戦と移動の疲労で「正直、体は限界だった」と言う。それでも2回目に63メートル78まで伸ばしてトップに浮上すると、その後は誰も北口の記録に迫れず、2位に2メートル48の大差をつけて悠々と逃げ切った。

 今季はDLで5戦4勝、2位が1回と圧倒的な成績。日本記録も2度塗り替えて67メートル38まで伸ばした。高いレベルで記録が安定し「シーズンが終わりに近づき、疲れてきている中で63メートルを投げられたのは良かった」と語る姿には風格が漂う。67メートル98のアジア記録の更新も視野に入れている。

 世界選手権、DLファイナルと主要タイトルを総なめにし、今季の主要舞台は終了。10月1日のアスレチックチャレンジカップ(新潟)にエントリーしており、帰国後の凱旋試合となる可能性が高い。既に出場権を獲得している来年のパリ五輪では堂々の金メダル候補。「他の選手もまた一段上げてくるので、それについていけるようにしたい」。油断なく、さらなる飛躍を誓った。

 ≪寺田「良い雰囲気」北口から刺激≫女子100メートル障害で世界選手権代表の寺田明日香(ジャパンクリエイト)が、北口の活躍に刺激を受けた。17日に横浜市で行われた小学生の日清食品カップにゲスト参加。北口のファイナル初制覇について「経験値もあるけど、彼女が切り開いてきた道が自信になっていると思う」と言い「“あっ、できるんだ”といろんな選手に思わせてくれる。いろんな種目に良い雰囲気が伝わっていけば」と自身のモチベーションに変えた。

 ≪3000メートル障害・三浦 5位「流れとしてはきれい」≫順大4年の三浦は、学生最後の3000メートル障害を終えた。序盤は後方待機し、終盤のスピードアップで5位まで順位を上げた。冷静さを保ち「流れとしてはきれいにいった」と振り返った。4位だった昨年に続き2年連続出場。8月の世界選手権でも6位入賞を果たすなど着実に力を伸ばしており、来年にはパリ五輪がある。「まずまずの結果を残して終われたのは良かった」と手応えを口にした。

 ≪リーグ戦上位選手がファイナル進出≫▽ダイヤモンドリーグ 世界陸連が主催する14戦によるリーグ戦。2010年に新設され、例年5月から9月にかけて14都市で開催される。男女各12種目の獲得ポイントで競い、上位がファイナルに進み、年間優勝者を決める。リーグ各大会の優勝賞金は1万ドル(約147万円)でファイナルは3倍の3万ドル(約441万円)。ファイナルでの日本勢最高位は、昨年の北口の銅メダルだった。

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