きのこの種類と栄養|しめじ、しいたけ、エリンギ、えのき、まいたけ…

2023年10月12日 09:00

きのこの種類と栄養|しめじ、しいたけ、エリンギ、えのき、まいたけ…
きのこには、食用のものだけでもたくさんの種類があります。スーパーにはさまざまなきのこが1年中並び、手軽に毎日の食卓に取り入れられるようになりました。 きのこは低カロリーなうえに、健康に役立つ栄養素がたくさん含まれています […]

きのこには、食用のものだけでもたくさんの種類があります。スーパーにはさまざまなきのこが1年中並び、手軽に毎日の食卓に取り入れられるようになりました。

きのこは低カロリーなうえに、健康に役立つ栄養素がたくさん含まれています。一口にきのこといっても、見ために特徴があるように、栄養価にもそれぞれの個性があります。

ここでは、きのこの種類や栄養について、それぞれの特徴や効能をお伝えいたします。

きのこ類に期待できるメリットとは   

きのこ類の多くには、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、便のカサを増やすことにより便秘を解消する、腸内細菌の善玉菌のエサになる、腸内環境を整えることに役立ちます。

また、免疫細胞の多くが腸内に存在していると考えられており、腸内環境が整うことは免疫力を高めることにもつながります。

きのこに含まれている食物繊維の一種には「β-グルカン」と呼ばれるものがあります。β-グルカンは、腸内の免疫細胞に直接働きかけるとされており、より免疫力の維持が期待できます。

手軽にスーパーで買えるきのこですが、さまざまな種類があります。ここでは、販売されているきのこの種類と、その栄養についてお伝えいたします。

「 しいたけ」に期待できる健康効果

しいたけには、しいたけ特有のエリタデニンという成分が含まれています。エリタデニンはコレステロールを下げる効果があるとされており、動脈硬化の予防につながります。

また、干ししいたけには豊富にビタミンDが含まれており、骨の強化、骨粗鬆症の予防になります。

しいたけは食物繊維も多く、その量はキャベツの2倍にもなります。食物繊維は前述した通り、免疫力強化や、便通の改善をはじめ、美肌効果も期待できます。

「えのきだけ」に期待できる健康効果

えのきだけには、パントテン酸という成分が含まれています。パントテン酸は副腎皮質ホルモンの原料となり、ストレスを和らげる効果が期待できます。

また、アミノ酸の一種であるGABA(ギャバ)も含まれています。GABAには、副交感神経を優位に働かせる効果があるといわれています。イライラやストレスがたまって、交感神経が優位になり過ぎているときにおすすめです。

「しめじ」に期待できる健康効果

しめじにはカリウムがとくに多く含まれています。カリウムには体内にたまった余分な塩分を排泄させる効果があるので、むくみをとったり、血圧を下げる効果が期待できます。

また、オルニチンという成分も豊富に含まれています。オルニチンには疲労回復効果や、肝機能を高める効果があるとされています。

「まいたけ」に期待できる健康効果

まいたけには、まいたけ特有のMD-フラクションという成分が含まれています。食物繊維のβ-グルカンから抽出された成分で、免疫力を強め、抗アレルギーの作用があるとされています。

また、多糖類の一種であるMX-フラクションという成分も注目されています。MX-フラクションもまいたけに唯一含まれている成分で、内臓脂肪を減らしたり、基礎代謝を高めたりする効果が期待できるとして研究が進められています。

「マッシュルーム」に期待できる健康効果

日本では主に、クセが少なく上品な味のホワイトマッシュルームと、香りが豊かで味が濃厚なブラウンマッシュルームが販売されています。

ビタミンB2・ビタミンB6などのビタミン類、パントテン酸やナイアシンなどエネルギー代謝に関わっている成分を多く含むので、美肌効果が期待できます。

また、旨味成分がしいたけよりも含まれているとされており、味わい深いことが特徴です。

「エリンギ」に期待できる健康効果

エリンギには他のきのこ類と比較すると、葉酸が豊富に含まれています。葉酸とはビタミンB群の水溶性ビタミンで、ビタミン12とともに赤血球を作る際に必要になります。

別名「造血のビタミン」と呼ばれており、貧血予防に役立ちます。

「なめこ」に期待できる健康効果

なめこには特有のぬめりがあり、このぬめりには水溶性食物繊維のペクチンが含まれています。

ペクチンは、血糖値の急上昇を抑え、コレステロールの吸収を抑えてくれる働きがあるといわれています。

また、粘膜を保護する作用もあるため胃粘膜を保護し、胃腸炎の予防や回復に役立ちます。鼻や喉の粘膜も保護するので、風邪予防にもつながるといえるでしょう。

「きくらげ」に期待できる健康効果

きくらげは乾燥品が多く出回っていますが、最近では生の黒きくらげをスーパーで見かけるようになりました。

乾燥きくらげのカルシウム含有量はきのこの中でもトップクラスです。また、ビタミンDも豊富に含まれているので、骨粗鬆症の予防に役立ちます。

また、食物繊維も豊富で、ごぼうよりも多く含まれています。血糖値の上昇を抑えるだけではなく、ダイエットにも役立つといえるでしょう。

健康的なメリットが大きいきのこですが、たくさん食べても問題はないのでしょうか。

きのこは1日どれくらい食べればいい?食べすぎるとどうなる?

きのこ類の1日の摂取量の目安は50g〜100gといわれています。

なるべく複数種類のきのこを食べると、さまざまな栄養素を摂ることができるのでおすすめです。食感や味にも変化をつけられるので、料理の味もおいしくなります。

ただし、きのこ類をあまりにも食べ過ぎると、場合によっては下痢や腹痛につながることもあります。きのこに含まれている水溶性食物繊維には、便を柔らかくする作用があるため、これらを多く含むなめこやえのきだけは、とくに食べすぎないよう注意しましょう。

きのこに含まれている不溶性食物繊維は便のカサを増やしますが、便のカサが大きくなりすぎると腸内で詰まりやすくなり、便秘になることもあります。

さらに、食物繊維はあまりにも多く食べすぎると消化不良や胸やけを起こす可能性があります。あまり体調がよくない場合は、多く食べ過ぎるのは避けた方がいいでしょう。

きのこの栄養をたっぷり摂取できるおすすめ調理方法

ここからは、きのこの栄養を効率よく摂るための食べ方や調理方法などをレクチャー。

まず、きのこ類を調理するときに大切なことは、なるべく洗わないということです。きのこを洗ってしまうと、水っぽくなり、香りや風味も薄くなります。

汚れが気になる場合は、キッチンペーパーなどを湿らせて拭き取りましょう。

スープにすると水溶性ビタミンもとれる

煮る場合はスープなどにして、煮汁も一緒に食べられるようにしましょう。煮汁にはビタミンB群など水溶性ビタミンがたくさん含まれています。スープやお味噌汁などの汁物にすると、ビタミン類も余すことなく摂取できるのでおすすめです。

また、網焼きをはじめ、焼く調理法もきのこ類にはぴったりです。旨味や香りを丸ごと味わうことができます。切り口や、かさの裏側を上にして、水分が表面に出て濡れたようになるまで焼きます。

炒める場合には、強火でさっと炒めましょう。弱火で炒めると水っぽくなってしまいます。

きのこは冷凍できる?冷凍するメリットと冷凍時の注意点

きのこ類を使いきれそうにない場合は、冷凍保存もおすすめです。

きのこ類は、冷凍することで旨みが強くなる可能性もあります。冷凍してから加熱すると、細胞膜が壊れやすくなり、酵素の働きでよりおいしさを感じられます。

冷凍すると1か月前後は保管できるので、とても便利です。

きのこを冷凍する場合は、洗わずに食べやすい大きさに切ってから冷凍しましょう。石突がある場合はとりのぞき、ほぐせるタイプのきのこはほぐしてから冷凍します。

また、なるべく短い時間で冷凍することもおいしさを保つコツです。ジッパーつきの袋に入れ、平らにして金属製のトレーに乗せると短時間で冷凍できます。

きのこにはさまざまな種類があり、それぞれに味や栄養に特徴があります。

スーパーで手軽に手に入るので、ぜひ、お好みのきのこをみつけてみてください。栄養価を考えて選ぶのも楽しいので、食べたことのないきのこにもチャレンジしてみてくださいね。

<この記事を書いた人>
山形ゆかり
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師。薬膳アドバイザー。フードコーディネーター。病院薬剤師として糖尿病患者の服薬指導中に食養生に着目。牛角・吉野家、薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発を行う。現在は、「健康は食事から」をモットーに、漢方のプロとAIが適した漢方薬をお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」や山形ゆかりの薬膳チャンネルでも情報発信をしている。
●Medical Health CH:https://www.youtube.com/@medicalhealth--7900

<Edit:MELOS編集部>

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