阿炎 天国の師匠にささげる白星 豊昇龍撃破で5連敗からようやく初日

2024年01月20日 04:44

相撲

阿炎 天国の師匠にささげる白星 豊昇龍撃破で5連敗からようやく初日
豊昇龍(右)を攻める阿炎(撮影・木村 揚輔) Photo By スポニチ
 【大相撲初場所 6日目 ( 2024年1月19日    両国国技館 )】 平幕の阿炎が大関・豊昇龍を破って今場所の初白星を挙げた。師匠の錣山親方(元関脇・寺尾)は昨年12月17日に60歳で急逝。天国へ届ける弔い星となった。
 大関昇進を狙う関脇・琴ノ若は若元春に敗れて初黒星。全勝は平幕の朝乃山ただ一人となった。横綱・照ノ富士と綱獲りの大関・霧島はそれぞれ5勝目を挙げた。

 弔いの白星を挙げた阿炎の表情は、前日までとそれほど変わらなかった。「師匠なら“気にせず自分のことを精いっぱいやれ”と言うと思うので」。錣山親方が亡くなった直後に目を赤らめながら口にした言葉の通り、生前の教え「一番集中」を守って感傷的にはならなかった。

 もろ手突きで大関の上体をのけ反らせておいての引き落とし。序盤5連敗も「内容自体は悪くない」と動きは良く、それがようやく白星につながった。「元気な相撲を取れば勝とうが負けようが怒られなかった」。連敗中も落ち込むことなく切り替えられていた。

 今場所に懸ける特別な感情は持たないつもりだが、もちろん誰よりも強い思いを持っている。厳しくも優しかった師匠。「若い頃、休みの前日に“彼女できたなら門限破ってもいいぞ”と鍵を貸してくれたこともあった」。そんな器の広いところも、心から尊敬していた。「アビ」は、師匠の幼少期の愛称。名前を継承する愛弟子は「阿炎という名前を広めていけるように」とさらなる活躍を誓っていた。

 「一つ(勝った)ぐらいで喜ぶな、と言われそう」。阿炎には師匠の考えが分かっていた。天国から届く、愛のある叱咤(しった)激励が何よりも力になる。

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