【二所ノ関親方 初場所総括】3大関より上と感じさせた琴ノ若の安定感

2024年01月30日 04:44

相撲

【二所ノ関親方 初場所総括】3大関より上と感じさせた琴ノ若の安定感
父で師匠の佐渡ケ嶽親方(右)から技能賞を授与される琴ノ若 Photo By 共同
 展望で予想した通り上位陣による優勝争いとなりました。中でも大関を確定させた琴ノ若の充実ぶりが目立ちました。
 千秋楽の翔猿戦も力の差を見せつける内容。初場所は圧倒する相撲がほとんどで、文句なしの昇進でしょう。ほかの3大関と遜色なし、むしろ上ではないかと感じさせました。落ち着いた形もあり、照ノ富士との2番以外は安定していました。琴ノ若の良さは下半身の安定感。それがあるからこそ、上半身の良さ、前さばきのうまさにつながっています。押し込まれても足腰の良さで残しながら逆にカウンター気味に下からえぐって攻める強さを持っている。毎場所着実に強くなっています。

 父の佐渡ケ嶽親方も晩成型でしたし、まだ進化の途中かもしれない。それを思うと、長い目で見ていきたい素材。横綱もあるんじゃないかなとも思っています。一度も勝っていない照ノ富士の壁を克服することは最重要課題です。初場所は2番とも横綱に出し切らせてしまった。そうさせない相撲も覚えていくことが必要です。

 照ノ富士は日に日に強くなっていました。千秋楽の決定戦はさすがの強さ。琴ノ若にもろ差しを許しても、揺るがない精神力、ぶれない体ではね返し力の差がある完璧な勝利でした。まだまだ優勝回数は伸びるでしょうし、攻略できる若手が現状は見当たりません。霧島は綱獲りを逃したものの良く頑張った方でないでしょうか。今後は体重を増やし自分の形を持つ「シン霧島」を目指していかないと、チャンスも巡ってこないと思います。

 大の里は新入幕で11勝。ただし師匠としては満足はしていません。幕内力士はレベルも高く、みんな研究してきます。圧力、馬力を生かしながら相手十分にさせないことを考える。それが今後の課題です。(元横綱・稀勢の里)

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