【新大関琴ノ若 親子三代の夢(中)】基礎を培った埼玉栄での日々が「原点」

2024年01月30日 04:43

相撲

【新大関琴ノ若 親子三代の夢(中)】基礎を培った埼玉栄での日々が「原点」
15年6月、埼玉栄高3年時に関東大会で個人優勝 Photo By スポニチ
 佐渡ケ嶽部屋で生まれ育った琴ノ若は、小学生になると地元の名門道場・柏市相撲スポーツ少年団に所属して稽古に励んだ。小5の時、父がスカウトで埼玉栄高を訪れると、相撲部の山田道紀監督から「息子さん、うちにどうですか?」と“逆オファー”。本人が入部を熱望し、父も「自分で決めた道なら賛成」と背中を押した。
 山田監督は「御曹司を預かったからには部屋の跡継ぎにさせないと…でも弱くてどうなるかと思った」と琴ノ若の中学入学時を振り返る。同部の方針として、中学生のうちはほとんど相撲を取らせず徹底的に基礎を教え込む。「まだ子供体形だから、いかにケガをさせないか。高2までは体づくりが大事」。監督自ら毎食作る栄養バランスの取れた食事も健康な体を育んだ。

 基礎の積み重ねが開花したのは高3の夏。主将として全国高校総体団体優勝に導いた。2―2の大将戦を土俵際大逆転のうっちゃりで制した一番は「気持ち良かった。こんな筋書きのドラマはないだろう」と今でも鮮明に覚えており、この劇的勝利で大きな自信をつけた。その1カ月後、今度は世界ジュニア選手権で優勝。「私が見に行くと負けるから…」とそれまで現地観戦を避けていた父の見守る前で、世界一に輝いた。

 弱かった中学生からU18世界王者に成長。山田監督の指導が実り、中高6年間で大きなケガは一度もしなかった。「小さい頃から相撲部屋で育ってきたけど、原点は栄です。ここまで土台をつくってもらって感謝しかない」。大相撲の世界で戦っていく準備が整ったる(特別取材班)

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