尊富士 無傷10連勝 大の里退け2差 110年ぶり新入幕Vへ大前進

2024年03月20日 04:41

相撲

尊富士 無傷10連勝 大の里退け2差 110年ぶり新入幕Vへ大前進
大の里を押し出しで破る尊富士(撮影・井垣 忠夫) Photo By スポニチ
 【大相撲春場所10日目 ( 2024年3月19日    エディオンアリーナ大阪 )】 全勝の新入幕・尊富士と1敗の大の里による、出世が早過ぎて大銀杏(おおいちょう)が結えない新鋭同士の直接対決はちょんまげの尊富士に軍配が上がった。10連勝で後続と2差に広げ、単独首位を独走。1914年夏場所の両国以来110年ぶりとなる新入幕優勝へ大きく前進した。2敗で追うのは、大の里と勝ち越しを決めた新大関・琴ノ若。貴景勝は3敗に後退した。
 立ち合いが勝負を分けた。「右を差されたら絶対負ける」と警戒した尊富士が左を差し勝つと、右へ回り込む相手に体を寄せて一気に走って押し出し。アマチュア時代の計4度の対戦(2勝2敗)全てが短時間で決着しているため「どちらにしろ一瞬で終わる気がする」とこの日の朝話しており、立ち合いの瞬間に懸けていた。

 プロ初対戦は念願だった。アマチュア横綱など大学13冠の大の里に対し、尊富士は個人での全国優勝なし。1学年上で4場所早く前相撲からデビューしたが、幕下10枚目格付け出しの大の里に初土俵の時点で番付を抜かれた。その時「必ず大舞台で対戦してやる」と決心した。猛稽古で力をつけ早くも実現。「積み重ねたことが結果になってうれしい」と実感を込めた。今後何度も戦っていく横綱候補同士の記念すべき初対戦。2人で紡ぐライバル物語は「始まったばかり」だ。

 新入幕の初日から10連勝は、1960年初場所の大鵬以来64年ぶり。昭和の大横綱が記録した「11連勝」目前に迫った。10日目を終えて2差単独首位は15日制以降36例で、うち33例がそのまま優勝。数字上では92%の確率で110年ぶりの新入幕優勝が実現しそうだ。11日目は大関初挑戦。「常に自信は持っている」という怖いもの知らずの新星が、鋭い出足で歴史的偉業へ突き進む。

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