体操・杉原愛子 指導者経て現役復帰…今の自分が「一番、最強」

2024年03月27日 07:00

体操

体操・杉原愛子 指導者経て現役復帰…今の自分が「一番、最強」
「Jts」メンバーとポーズを取る杉原(左から2人目)
 【オリンピアンロードの歩き方】五輪を目指すアスリートや関係者を取り上げるコラムの今回は、体操女子で2016年リオデジャネイロ、21年東京と五輪2大会に連続出場した杉原愛子(24=TRyAS)。22年に一度は競技生活に区切りをつけながら、昨年6月に復帰。本紙のインタビューに応じ、パリ五輪へ向けた思いなどを明かした。
 頂点を争う舞台に帰ってきた杉原が、強い口調で言い切った。「以前よりも今の自分の方が良くなっている。いろいろと視野が広がったからこそ、今の杉原愛子が一番、最強なんじゃないかな」。五輪は16年リオ、21年東京と過去2大会に出場。22年に一度は競技から離れながら、昨年6月の全日本種目別選手権で復帰した。ブランクがある一方、確かな自信がある。

 体操にひと区切りをつけていた期間は、指導者や審判、そしてリポーターというように、これまでとは違う角度から競技に携わった。指導者としては中学生などに対して基礎から徹底して教えた。その中で気づきがあった。「基本を教えるうちに、その大切さを改めて学んだ。自分で実践してみたら“今の杉原、前の杉原より質が上がっている”と感じられた」。動きをアウトプットすることで「考える力も身についた」という。

 パリへの思いを強くしたのは、リポーターとして現地に赴いた昨年9~10月のアジア大会の影響が大きかった。初めて観客席から見た国際大会。緊張感あふれる場所に立つ選手たちを見て、感じるものがあった。「気持ちいいやろな。自分もまた演技をやってみたいな」。帰国後、世界体操をテレビで見ていて気持ちは固まった。

 「五輪は簡単に出られないというのを知っているからこそ、なかなか言えなかったけど…。でも、やらずに後悔するよりもチャレンジした方がいいと」

 昨年11月、自身のSNSでパリ五輪を目指すと公言。現在は都内を主な拠点とし、週5日、1日6時間程度の練習に励んでいる。一方で「Jts」という体操サークルを立ち上げ、SNSなどを通じて魅力を伝えていく。

 「今は多様性の時代。もちろんパリは本気で目指しているし、Jtsのみんなで情報を発信することも本気でやっていきたい」

 全ては、4歳から始めた体操が大好きだから。覚悟を胸に、五輪代表の選考対象となる4月の全日本個人総合、そして5月のNHK杯へ臨む。(五輪担当・西海 康平)

 ◇杉原 愛子(すぎはら・あいこ)1999年(平11)9月19日、大阪府東大阪市出身の24歳。4歳で体操を始め、2015年アジア選手権の個人総合で金メダルを獲得。五輪は16年リオで団体総合4位、21年東京で団体総合5位だった。1メートル52、44キロ。

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