二所ノ関親方 夏場所展望 逆境こそ照ノ富士の本領発揮の場

2024年05月12日 04:41

相撲

二所ノ関親方 夏場所展望 逆境こそ照ノ富士の本領発揮の場
二所ノ関親方 Photo By スポニチ
 いったい誰が優勝賜杯を手にするのか。今回は本当に頭を悩ませます。最近は上位による優勝争いが定着してきたのに、春場所は一転して新入幕が優勝。快挙を成し遂げた尊富士と朝乃山は休場し、上位もそれなりに不安を抱えている状況。難しい、の一言です。
 出場に踏み切ったのであれば、照ノ富士が中心になります。不安視された1月の初場所は、終わってみれば他とはワンランク違った強さを発揮。実績、経験も豊富で地力は群を抜いた存在です。稽古総見では脇腹に不安を覚えたようですが、これまで数々の修羅場を乗り越えてきたので、逆境こそ横綱の本領発揮の場でしょう。これまでの経験から、それなりには仕上げてくるとみています。序盤の5日間で自分の相撲を取り切れば後半はぐんと伸びてくるでしょう。

 新入幕優勝の快挙で大関陣には尻に火がついた状態になったはず。このままではダメと奮起しないと先が見えてこないでしょう。4人のなかでは琴桜が伸びしろもあって期待が持てます。ただし、相手の力を利用しながらの相撲なので、圧倒的な攻撃の形を習得したいところです。どうしても受けている印象が強いので、自ら切り開いていくような積極性が欲しい。自分から攻める相撲を増やしていければ賜杯にも近づきます。豊昇龍、霧島は体が若干小さく見えて物足りない印象。貴景勝は首痛との闘いですが、優勝に絡めるチャンスはあるとみています。

 新小結の大の里は横綱同様、前半が鍵になるでしょう。初日の結びは場所の行方を左右する大一番。大の里は左前まわしを狙う横綱の攻めをどう対処し、どう馬力を伝えることができるか。撃破するようなら期待は広がります。

 平幕勢では、自己最高位で迎える豪ノ山、平戸海に注目です。平戸海は左の前まわしを奪って右差しから出る形が魅力的。体の寄せ方も上手で今後が楽しみです。 (元横綱・稀勢の里)

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