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【リーグワン】埼玉・堀江翔太 スローフォワードには悔いなし「やり切った。最高のラグビー人生」

2024年05月26日 20:41

ラグビー

【リーグワン】埼玉・堀江翔太 スローフォワードには悔いなし「やり切った。最高のラグビー人生」
<埼玉・BL東京>泣きながら引き揚げる堀江(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 【ラグビーリーグワン1部プレーオフトーナメント決勝   埼玉20―24BL東京 ( 2024年5月26日    東京・国立競技場 )】 レギュラーシーズン1位の埼玉が同2位のBL東京に20―24で競り負け2季ぶりの王座奪冠はならなかった。今季限りで引退するフッカー堀江翔太(38)は後半開始から出場。過去最多5万6486人が詰めかけた国立で有終の美を飾ることはできなかった。
 この日も後半開始から登場し、相手防御への突進やジャッカルで存在感を示した。だが4点を追う後半39分、自身のパスがスローフォワードとされ、TMO(ビデオ判定)によって逆転トライが取り消された。これがラストプレーとなったが試合後は「幸せな15年間だった。やり切ったし、最高のラグビー人生」とすがすがしい表情で振り返った。

 日本代表としてW杯4大会連続出場。歴代6位の76キャップを誇るが、決してエリート街道を歩んできたわけではない。島本高3時は花園出場はかなわず、強豪・帝京大進学後も大学選手権ではベスト4止まり。プロ入り後の15年2月に首の大ケガで一時は引退危機にまで追い込まれるなど苦しんだ。

 日本代表ではジェイミー・ジョセフ前ヘッドコーチ(HC)初陣の16年テストマッチ・アルゼンチン戦で共同主将を務めたが20―54と完敗。試合後はジョセフHCから「クソみたいなプレー」と激怒されたこともあった。

 15年、南アフリカを撃破した「ブライトンの奇跡」、19年日本大会では初の8強入りに貢献するなど、ラグビー日本代表の価値を高めた功労者。だが「必死すぎて僕が引っ張ったろうという思いはなかった。自分がまず成長せんと周りにいい影響を与えられない。代表のために何かしろよ、と周りに言う前に自分が成長することを考えてきた。それがチームのためになっていたらうれしいし、僕のおかげとは全く思っていない」と代表でもフォア・ザ・チームの精神を貫いてきた。

 19年W杯後には一年でも長くプレーするため、あえて代表活動を辞退。22年10月には日本代表がW杯の活動を行う中、師事する佐藤トレーナーのもと、24時間ウオーキングを敢行した。下半身を体の基礎的な部分やバランス感覚を養った。以降はケガしにくい肉体を手に入れ、今季もリザーブ中心ながら現役最終戦まで走りきった。この日も「39の年齢までできたのは佐藤さんのトレーニングのおかげ」と恩師へ感謝を述べた。

 試合終盤に登場して流れを変える“ラスボス”として、国立に最後の雄姿を刻んだ38歳。「全勝してPO決勝で優勝、そして引退とマンガみたいにいかないのは僕らしい」と笑わせると「生まれ変わってもラグビーはしない。それくらい幸せなラグビー人生を歩めた」と晴れやかに話した。

 試合後はBL東京のリーチ・マイケル主将と言葉を交わし「俺やめるから頼んだわ」と代表の未来を託すように、手を振って別れた。

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