阪神・佐藤輝の今季1号が逆襲号砲！開幕10戦目で連敗大脱出　大観衆の前でホームラン量産誓う

2022年04月06日 05:30

野球

阪神・佐藤輝の今季1号が逆襲号砲！開幕10戦目で連敗大脱出　大観衆の前でホームラン量産誓う — ＜神・D＞初回、2ランを放ち、右手を突き上げる佐藤輝（撮影・坂田　高浩） Photo By スポニチ

【セ・リーグ阪神4ー0DeNA （ 2022年4月5日甲子園）】祝！甲子園“快幕”だ。阪神は5日、DeNA戦に4―0で勝利し、ついに開幕からの連敗を「9」で止めた。今季の甲子園開幕戦で4番・佐藤輝明内野手（23）が初回に右翼席へ待望の1号2ラン。自身289日ぶりの聖地での一発だ。3年ぶりに観衆の入場制限が解けたスタンドには今季阪神主催試合最多の観客3万7408人が集結。大入りの一戦で若き主砲が、反攻を堂々と宣言した。

　聖地の夜空に、悪夢の終わりを告げる一撃が舞い上がった。開幕9連敗の泥沼スタートで迎えた甲子園での22年初打席。佐藤輝の一振りが、猛虎待望の1勝を呼び込んだ。

　「間違いなく、特別な日。下を向くことはなかったですけど、なかなかうまくいかない…。でも下を向かずにやってきて、やっと勝てた」

　1点を先制し、なおも1死一塁。先発・ロメロの初球に狙いを研ぎ澄ませていた。開幕から再三攻められていた内角への148キロツーシームを一閃（いっせん）。「本当にぎりぎりだったので一生懸命走りました」。高々と舞い上がった放物線は、虎党が待つ右翼席に吸い込まれた。

　一塁ベースを回ったところで掲げた右拳を力強く握り、悠々生還後はパドレスのマチャドとタティスJr.が見せている、両手を顔付近で掲げるパフォーマンスを糸井と初披露。「かっこいいなと2人で言っていて。どんどんできるようにやっていきます」と量産を誓った。開幕から10試合、40打席目での一発は、昨年6月20日の巨人戦以来289日ぶりとなる聖地でのアーチ。「はやく1本欲しいなというのはありました。やっぱりホームランの方が気持ちがいい」と久々の快感の余韻に浸った。

　1年目、家族へプロ入り最初の恩返しとして車をプレゼントする予定も、父・博信さんに「今はいいから、1年目活躍したら買ってくれ」と断られた。だが、シーズン途中に5人乗りの高級車を購入。オフには両親と弟2人を乗せて自らの運転で旅行にも連れ出して喜ばせた。

　「これをきっかけにしてやるしかない。チーム一丸となって。誠志郎さん（坂本）とか泣きそうな感じだった（笑い）。キャプテンのためにきょうは勝ててよかったです」

　大入りに膨れあがったスタンドの景色を初めて見ながら「すごく後押ししてくれたと思います」とこうべを垂れた。お立ち台では「最高です！きょうをきっかけに、明日から勝って巻き返したいと思います」と反攻を宣言。シーズンは思わぬ幕開けでも、まだ消化はわずか10試合だ。若き4番が、ここから猛虎を上昇気流に乗せていく。（阪井　日向）

　《甲子園開幕4番弾、日本人選手12年ぶり》佐藤輝（神）が初回に今季1号2ラン。4番での本塁打は通算3本目。1本目は昨季5月2日の広島戦（甲子園）5回、4番デビュー戦で打った初の満塁弾。2本目は同5月7日のDeNA戦（横浜）4回、右翼席最上段まで運ぶドラフト新人最速10号ソロ。そして今回はチームを開幕初勝利に導く目覚めの2ランとなった。なお甲子園開幕戦での4番打者本塁打は20年7月9日巨人戦のボーア以来2年ぶり、日本人選手では10年4月6日巨人戦の金本以来12年ぶり。