友が“立たせてくれた”甲子園のグラウンド 血行障害の京都国際・森大空くん「ありがとう」

2022年08月07日 04:03

野球

友が“立たせてくれた”甲子園のグラウンド 血行障害の京都国際・森大空くん「ありがとう」
アルプススタンドから声援を送る京都国際・森大空君 Photo By スポニチ
 【第104回全国高校野球選手権大会第1日・1回戦   京都国際5-6一関学院 ( 2022年8月6日    甲子園 )】 【いっちーの届け夏エール】京都国際の森大空君(3年)は、本当は立てたかもしれない憧れの舞台を、アルプスで楽しみました。
 愛知県出身で、「部員が少なくたくさん、練習して成長できる」と京都国際に入学。右投げ右打ちの外野手として2年秋から5番打者を担うなどチームの軸でした。今春の選抜でも背番号13をもらい、聖地で躍動するはずでした。しかし、チームは開幕前日に新型コロナウイルス感染により出場辞退。夢は、夏に持ち越されました。

 その途上。春の京都大会で、先頭打者としてチームをけん引していた時でした。試合中に右手のひらに痛みが走りました。診断は血行障害。夏に向けて必死にリハビリに励みましたが、キャッチボールもままならず、6月からサポート役に。宮村貴大部長が「足も速く長打力もある。明るい性格で必要な選手だった」と話すように、ケガさえなければチームの軸になるはずでした。「本当なら…」。その思いを共有してくれたのは同じ外野手の三浦悠聖君。この日、帽子に『森大空』と書き、同じグラウンドに立たせてくれました。

 初戦敗退を喫しましたが、9回に2点差を追いついた仲間への思いは、ただ一言。「ありがとう」――。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。昨年からは早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に在学し、野球選手の障害予防について研究中。

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