広島・秋山 移籍後初サヨナラ打で連敗脱出 マツダで初のお立ち台「大変、長らくお待たせいたしました」

2022年08月07日 04:45

野球

広島・秋山 移籍後初サヨナラ打で連敗脱出 マツダで初のお立ち台「大変、長らくお待たせいたしました」
<広・神>サヨナラ打を放ち、ガッツポーズをする秋山(撮影・坂田 高浩) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島6-5阪神 ( 2022年8月6日    マツダ )】 広島・秋山翔吾外野手(34)が6日の阪神戦で、移籍後初となるサヨナラ打を放った。西武時代の16年6月10日の中日戦以来、自身6年ぶり4度目の劇打。今年で15回目を迎えた「ピースナイター」として開催された一戦で佐々岡政権最長に並ぶ8連敗を阻止し、後半戦では7試合目で初勝利となった。
 長く出口の見えないトンネルから、秋山がナインを救い出した。「負ければ、選手の取り組みが悪くなくても、何かのせいにしたくなる。勝つことでいろんな人が救われる」。たった一打で悩めるチームに笑顔が戻った。

 9回は3点劣勢で迎えた。先頭・小園からの3連打と相手の2失策も絡んで同点。なおも1死二塁で4打席凡退の秋山に打席が回った。「前の打席で1ボールからアウト(中飛)になり、何もできなかった。腹をくくっていった」。カウント1―1から真ん中付近に入った岩崎のスライダーを逃さずバットの芯で捉えると、打球が右前で弾んだ。移籍後初となるサヨナラ打となった。

 「3点差からつないでくれたからこそ、たまたま僕にあのような場面で回ってきた。前進守備は、相手の外野にもプレッシャーがかかっている。“なんとかなれ!”と思って、逆にリセットできた」

 マツダスタジアムでは初のお立ち台。「大変、長らくお待たせいたしました」と後半戦初勝利の喜びをコイ党と分かち合った。敵地では神宮でヒーローインタビューを経験。その一声目は「できれば初めて立つのはマツダと思っていたのですが…」と表情を引き締めて応えたものだった。

 笑顔を見せなかった理由には本拠地でバットが振るわない、もどかしさがあったと言う。「マツダで活躍できていないというのがあったので…。広島の、ファンの人たちの前でお立ち台に立てるぐらい活躍したいと思っている」。そして重圧を振り払い、本拠地で4試合連続安打。劇打という、これ以上ない形で本拠地のお立ち台に立ち、「いや、もう良かった」と感傷に浸った。

 核兵器のない平和な世界を祈る「ピースナイター」として開催された一戦だった。「広島の皆さんにとっては、大切な忘れられない日。僕も外から来た人間ですけど、皆さんとともに、この日を忘れずにやっていきたいと思います」。劇勝を通して、地元とともに戦う赤ヘル戦士の役割を再認識した。(河合 洋介)

 ▽ピースナイター 広島は「原爆の日」に行われた阪神17回戦を「ピースナイター」として実施した。15回目。野球を通じてセ界平和と核兵器廃絶を願うもので15回目。試合前には黙とうがささげられ、君が代独唱と始球式は被爆3世のシンガー・ソングライターの佐々木リョウが務めた。

 【データ】広島が今季6度目のサヨナラ勝ち。最終回に4点以上を奪っての逆転サヨナラは、昨季9月7日の中日戦9回に5得点し、3―7→8X―7として以来。秋山のサヨナラ打は西武時代の16年6月10日中日戦以来、6年ぶり4度目。

 ▼広島・佐々岡監督(ピースナイターでの劇勝に)広島にとって特別な日。チームも連敗しているところで、いろんな思いを持って臨んだ試合だった。こういう強い思いの中で、最初からそういう攻撃はできなかったけれど、アキ(秋山)が本当によく打ってくれた。

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