巨人・直江 プロ4年目初勝利、自己最長6回を3安打無失点「やっと一つ上には行けたのかな」

2022年08月14日 05:05

野球

巨人・直江 プロ4年目初勝利、自己最長6回を3安打無失点「やっと一つ上には行けたのかな」
<巨・広>プロ初勝利を挙げた巨人・直江(撮影・久冨木 修) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   巨人4―1広島 ( 2022年8月13日    東京D )】 巨人の直江大輔投手(22)が13日、広島戦で6回3安打無失点と好投。20年に椎間板ヘルニアの手術を受け、育成契約も経験した右腕が、念願のプロ初白星を挙げた。チームでは今季7人目のプロ初勝利となり、同一シーズン7投手が初勝利を挙げるのは球団史上最多。プロ4年目右腕が、チームを3位タイ浮上に導いた。
 表情を変えなかった22歳が、少しだけ頬を緩めた。「やっと勝てたな」。試合後に記念撮影で歩み寄った原監督から、まず首を絞められる叱咤(しった)交じりの祝福に、直江は「本当に何度も失敗して、やっと一つ上には行けたのかな」と何ともいえない表情を浮かべた。

 プロ最多の88球、自己最長6回を3安打無失点。4回1死一、三塁のピンチも冷静だった。西川は得意のフォークで空振り三振。坂倉はカーブで二ゴロと、総合力でゼロを重ねた。原監督は「もう1回ぐらいいけたと思う」と指のマメの影響での降板だと明かした。「いつも投げ込んでいるのとはまた違うところにできたというところに、未来というものがまだまだあるぜ、というふうに思いたいですね」と独特の言い回しで期待をにじませた。

 プロ4年で通算8度目の先発。20年9月21日の広島戦は4点リードの5回1死から四球、死球で降板した。前回登板だった6日のヤクルト戦は4回まで1安打投球も、5回先頭に頭部死球で危険球退場。自ら手放してばかりだったチャンスを、やっとモノにした。

 憧れは「スパイダーマン」。映画は全て観賞し「あの動きのしなやかさは本当に参考になります。クモにかまれてみたい」と笑う。「ちょっとオタクっぽい主人公が強いスパイダーマンになっていく。あんな感じになりたい」。18年ドラフト3位も、20年は腰の手術でオフに育成契約。昨年6月に再昇格するなど、苦しんだ自身と重ね合わせた。

 家族の夢もかなえた。父・晃さん(54)は直江と同じ松商学園(長野)OB。春夏計3度の甲子園出場、明治神宮大会優勝に導いた伝説のエースだった。野球を教わり投球フォームもそっくり。「どんなに悪くても励ましの言葉だったり、応援し続けてくれた」。故障でプロへの道を諦めた父ら、家族にやっと恩返しができた。

 同期の戸郷は今季プロ初の2桁勝利を達成した。「ここからがスタート。差を埋めていきたい」。正念場のチームのために、淡々と投げるだけだ。(小野寺 大)

 《同一シーズン7人プロ初勝利は球団初》直江(巨)がチームでは今季7人目となるプロ初勝利を挙げた。巨人で同一シーズンに7人がプロ初勝利は、12年の6人(宮国、星野、高木京、田原、小山、笠原)を抜く球団最多人数となった。

 【直江 大輔(なおえ・だいすけ)】

 ☆生まれ、サイズ 2000年(平12)6月20日生まれ、長野県出身の22歳。1メートル85、87キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 小3から野球を始め、柳町中では中野シニアで3年春に全国大会出場。松商学園では1年秋からベンチ入りし、2年夏の甲子園出場。2年秋から背番号1。3年夏は長野大会準々決勝で敗退。18年ドラフト3位で巨人入り。20年8月23日広島戦でデビュー。

 ☆名前の由来 父・晃さんが憧れた甲子園のアイドル・荒木大輔(早実)にあやかり命名。

 ☆ジャニーズ好き 東京ドームでの初登板では登場曲に嵐の「A・RA・SHI」を使用。年末のカウントダウンライブは欠かさず視聴。

 ☆背番号 槙原寛己氏(スポニチ本紙評論家)が入団から5年間つけた54番。同じ右の本格派で、槙原氏のように出世してほしいという首脳陣の期待から。

 ☆天地人 好きな戦国武将は同姓の直江兼続。原監督も愛読した「天地人」では「利」を求める戦国時代で「愛」を貫いた人物像が紹介された。

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