広陵のボンズ・真鍋 広角に3安打「一戦一戦集中して(大阪)桐蔭を倒したい」 

2023年03月21日 05:20

野球

広陵のボンズ・真鍋 広角に3安打「一戦一戦集中して(大阪)桐蔭を倒したい」 
<二松学舎大付・広陵>5回、真鍋は左前適時打を放つ(撮影・井垣 忠夫)  Photo By スポニチ
 【第95回選抜高校野球大会第3日・2回戦   広陵5―0二松学舎大付 ( 2023年3月20日    甲子園 )】 1年ぶりに帰ってきた聖地。「広陵のボンズ」の愛称を持つ真鍋慧に一発は出なかったが、シュアな打撃で広角に安打を打ち分けた。3安打1打点4出塁と実力を発揮した。
「絶対に走者を還すという気持ちで入った」

 そう静かに闘志を燃やして向かった第3打席。1―0で迎えた5回2死三塁の場面。カウント1ストライクから高めに浮いた直球を見逃さずに捉えた。痛烈な一打は左前適時打。「チャンスで1本出て良かった」。7回は低めの変化球を右翼線二塁打。打撃技術の高さも知らしめた。

 この日の3安打には昨夏の悔しさも込められていた。県大会3回戦。それまで3回戦進出が夏の最高成績だった英数学館に1―2で敗れ、しかも最後の打者となった。9回2死二、三塁で中堅に大きな飛球を放ったが、フェンス間際で失速して中飛に。数日後、父・隆さんから「もっと練習していれば、あと1メートル飛んで本塁打になっていたかもしれない。練習が足らんのじゃのう」と言われた。後日、その試合後に広陵ナインが泣き崩れる写真が掲載された新聞が寮に届いた。父から郵送されたものだった。この新聞を切り抜き、自室に飾っている。

 実は今大会前も不調に陥っていた。しかし前日19日に陣中見舞いのため宿舎を訪れたOBで元阪神・上本博紀氏から「ここに来たら調子じゃない。最後はハートだよ!」と間接的に届けられた激励メッセージで吹っ切れた。また新チーム結成後に首脳陣から「本塁打の打ち損じが安打だぞ」とも伝えられた。安打の延長が本塁打という発想が変わった。だからこそ、聖地でも強振を貫いた。「一戦一戦集中して桐蔭を倒したいです」。昨秋は公式戦で4本塁打を記録も、明治神宮大会は2年連続で決勝で大阪桐蔭に敗れた。積み重ねた努力は宿敵にリベンジするためだ。(山手 あかり)

 ◇真鍋 慧(まなべ・けいた)2005年(平17)6月17日生まれ、広島県出身の17歳。小1からソフトボールを始め、瀬野川東中では安芸リトルシニアに所属。広陵では1年夏から背番号3でベンチ入り。2年春に甲子園初出場。50メートル走6秒3、遠投105メートル。1メートル89、95キロ。右投げ左打ち。

 <春通算40勝>○…広陵は節目の選抜通算40勝目となり、歴代5位の龍谷大平安(京都)に2勝差に迫った。中井哲之監督は甲子園通算35勝目となり、通算勝利数で箕島(和歌山)・尾藤公監督に並ぶ歴代11位となった。

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