来たるべき日のために努力を続けた…ロッテ・平沢 チームスローガンを体現する一発

2023年04月13日 07:30

野球

来たるべき日のために努力を続けた…ロッテ・平沢 チームスローガンを体現する一発
8日の楽天戦で逆転2ランを放ったロッテ・平沢 Photo By スポニチ
 まさに劇的、ドラマチックという表現にふさわしい一打だった。4月8日の楽天戦(ZOZOマリンスタジアム)。1点を追う8回2死二塁からロッテ・平沢が西口の149キロの直球を叩いた。打球は高い軌道を描き、ロッテファンで埋まる右翼スタンドへ。直前にフランコの3ランで逆転を許した試合を再度ひっくり返す起死回生の2ランだ。この日、1軍に昇格し、即スタメン出場した男が起用に応える大仕事をやってのけた。
 打つ予感がしていた…、なんて後出しジャンケンのようなことは言わない。ただ、打ってほしいとは願っていた。イメージしていたのは右中間をライナーで破る同点三塁打だったが、その期待を大きく上回る結果だった。

 2015年のドラフト1位。期待されながらも右肘手術などの影響もあり1軍に定着できずにいたが、昨季はイースタン・リーグで首位打者のタイトルを獲得。今季はオープン戦初戦のヤクルト戦でチーム1号を放つなど14試合に出場して25打数7安打、打率・280の成績を残した。だが、開幕1軍に入れなかった。吉井監督は「2軍落ちとか調整という意味ではない。みんながメンバーだと思っているので、今は出番ではないということ。メンバー構成の中で彼が必要と思った時に上がってくる」と説明していた。

 本人は相当悔しい思いをしたと思う。だが、腐ることなく努力を続けた。2軍戦で打率・304と結果を残して来たるべき日を待った。荻野が6日の日本ハム戦で右足を負傷して登録抹消。代わって1軍登録されると即スタメンで起用されて期待に応えた。公式戦では19年5月25日のソフトバンク戦以来4年ぶりの本塁打はプロ初の決勝弾。今季のチームスローガン「今日をチャンスに変える。」を体現する一発だった。

 明るく気さくな性格。初対面は静岡での自主トレ取材だった。その時は野球についての話だけだったが、沖縄・石垣島の春季キャンプでは雑談する機会もあり、宮城出身の平沢は記者が隣県の福島出身と知ると「“東北会”をやりましょう」とも言ってくれた。ロッテの東北出身者は他に佐藤都(福島)、佐々木朗(岩手)、種市(青森)がいる。いつか、東北会が実現したらうれしい。20代の選手たちと、58歳の“アラ還記者”では、話題が合わないことは確実だけど…。(記者コラム・大内 辰祐)

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