DeNA 交流戦初優勝を前にしたベンチの「知られざる苦悩」とは

2023年06月21日 07:10

野球

DeNA 交流戦初優勝を前にしたベンチの「知られざる苦悩」とは
19日の日本ハム戦の10回、万波のソロ本塁打に肩を落とす三浦監督(前列右から2人目)らDeNAベンチ(撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 DeNAが初の交流戦優勝を果たした。セ・リーグ球団の優勝は5度目(過去に巨人2度、ヤクルト2度)。「TQB(得失点率差)」でのV決定は18度目の交流戦で初めてと、最後まで空前の大混戦が続いた。19日の試合で、そんな混戦だったからこその「知られざる苦悩」がDeNAベンチにあった。
 DeNAは日本ハム戦に勝つか引き分けで交流戦優勝だった。しかし3―3の延長10回、守護神・山崎が万波に決勝ソロを被弾。黒星を喫したため、V決定が20日以降に持ち越された。ただ、勝ち越されたのは1点だけ。これが2点差以上の敗戦だった場合はソフトバンクにTQBを上回られ、優勝の可能性は消滅していた。

 山崎は決勝ソロを被弾後、2死から伏見に二塁打。ピンチを背負った。ここで適時打を打たれると…。一塁ベンチのDeNA首脳陣は苦悩していた。あるコーチは「仮に2点差になったら、その裏の攻撃で1点差にするための作戦をとるのか…」と振り返る。要は「1点差負け」を狙いにいくということ。例えば先頭打者が出塁。2点差なら同点、逆転を狙って走者をためにいく場面だが、1点を取るために送りバントをするのか。ベンチではそんな話が首脳陣の間で出ていたという。

 結果としては山崎が1失点で踏みとどまり、TQBはソフトバンクをわずか・005上回った。仮に2点差から1点差負けにして交流戦の優勝を手にしたとしても、目の前の試合は黒星だ。阪神とのリーグ優勝争いなど今後のシーズンを見据えれば、大きな1敗になっていただろう。苦悩が苦悩のままで終わり、その上で優勝もできた。DeNA首脳陣が誰よりもホッとしているに違いない。(記者コラム・鈴木 勝巳)

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