阪神・青柳 「葛藤、自分磨き、居場所」胸中激白 偏りあった思考変えるため、取り組み続けるものとは

2023年06月21日 05:15

野球

阪神・青柳 「葛藤、自分磨き、居場所」胸中激白 偏りあった思考変えるため、取り組み続けるものとは
キャッチボールで調整する阪神・青柳(撮影・後藤 大輝) Photo By スポニチ
 不振のため2軍調整中の阪神・青柳晃洋投手(29)が、本紙に胸中を明かした。首位を走るチーム状況下で自身がその場にいない葛藤、カットボールやカーブといった投球割合が少なかった球種を織り交ぜる理由、現状の投手陣をけん引する村上、大竹ら後輩投手への思い――。よりパワーアップした状態で1軍のマウンドへ返り咲くべく、エースは虎視眈々(たんたん)と牙を研いでいる。 
 出場選手登録を抹消された5月20日から、1カ月。開幕前の時点で、エースの現状を予想できた者はどれだけいただろうか。「7試合投げて結果が出なかったのが一番」と矛先を自らに向けた青柳。続けて、偽らざる葛藤を言葉に乗せた。

 「もちろんチームメートには頑張ってほしいです。けど去年まで自分がちゃんと投げていた場所で、今年も開幕投手というところまで行って、チームは現状、勝っているのに、自分がここ(2軍)にいるというのは全く面白くないですし。そういう思いも、いろいろありながら(1軍戦を)見ています」

 その思いに打ち勝つべく、現状から目は背けることなく成長の余地を探し求める。降格後は、投球チャートを徹底的に洗い直した。「左バッターの外への(投球での)安打というのは偏りがありました。ボール球でも、いい所に行っていても、ヒットになっている部分では、やっぱり自信を持ってバッターが振りにきているんだな…と。4年間ずっとローテで回ってきてパターンだったりとか思考の偏りはずっとあった。それを変えるためには自分の技術を上げなきゃいけない」。取り組み続けているのが「自分が首振って投げるにしては、自信のあるボールではなかった」と振り返るカットボールとカーブの2球種だ。

 「このカウントはツーシーム一本で待っているようなデータが出ていたとしても、そこで全然違う球種を投げられたら、凡打になる可能性は上がってくると思う。そういう部分を磨いていかないといけないのかな…と。ファームでできないことは、1軍でもできないと思うので」

 2球種を加えることによる投球の幅の広がりに「手応えはありますね」とうなずき、1軍復帰の暁に見せるべき新しい姿を脳裏に描く。「むしろ、そうじゃなきゃいけない。ガラッと変わるというより、ベースがある中で、プラスアルファでバリエーションが出てくると思うので」と前を向いた。

 2軍で再調整を続ける間に、オフに自主トレに誘った村上、春季キャンプでキャッチボール相手を務めた大竹ら後輩投手が奮闘を続けている。「自分の枠を取るために、後輩のミスを願うようなことはしたくない。ああいう2人が頑張っているから首位にいる。本当に頑張ってほしい」。そう話した背番号17は「あいつ(村上)にはまだまだそんなエースの座は早いぞって言えるように、頑張るしかない」と自らに言い聞かせもした。昨季まで2年連続で最多勝と勝率第1位に輝いた猛虎のエース。その座は、やすやすとは譲らない。(阪井 日向)

 ○…青柳は、21日のウエスタン・オリックス戦(鳴尾浜)に先発する。この日はキャッチボールなどで最終調整。前回14日の同ソフトバンク戦(筑後)では6回7安打1失点と好投。「積極的に使っていく」というカーブ、カットボールの精度向上をテーマに結果も求める。2軍降格から1カ月。進化を示して、昇格をアピールする。

 ◯…今季の青柳は3月31日のDeNA戦(京セラドーム)で開幕投手を務め、5回2/3を投げて1失点で初勝利を挙げたものの、以降は勝ち星から遠ざかり、4月14日DeNA戦(横浜)から5月2日の中日戦(甲子園)まで3連敗。同12日DeNA戦(甲子園)で7回1/3を3失点で2勝目も、同19日広島戦でも5回7失点と乱調し、翌20日に出場選手登録抹消となった。以降はウエスタン・リーグ3試合に登板して2勝0敗、防御率2・25と復活へ向けた調整を進めている。今季1軍登板成績は7試合2勝3敗、防御率5・63。

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