阪神・湯浅 今季復帰絶望的 岡田監督「一番投げられへんやろ、脇腹なんて」 悲願の“アレ”へ終盤戦激痛

2023年08月01日 05:15

野球

阪神・湯浅 今季復帰絶望的 岡田監督「一番投げられへんやろ、脇腹なんて」 悲願の“アレ”へ終盤戦激痛
左脇腹を負傷し、今季復帰が絶望的となった湯浅 Photo By スポニチ
 7月30日のウエスタン・リーグ広島戦で左脇腹を負傷した阪神・湯浅京己投手(24)の今季復帰が絶望的となった。31日に兵庫県内の病院を受診し、「左脇腹の筋挫傷」と診断。大阪市内で取材に応じた岡田彰布監督(65)は「今年は無理やろうな」と見通しを明かした。1日から過酷な長期ロードに臨む猛虎が、昨季の最優秀中継ぎ右腕を欠いた中で18年ぶり「アレ(優勝)」を目指すことになる。  
 首位に立つチームにとって明らかに良くないニュースだ。湯浅について、岡田監督が割り切った様子で冷静に見通しを語った。

 「湯浅はもうアカンやろ。昨日も試合が終わってから聞いたけどな。そら、一番投げられへんやろ、脇腹なんて。もう、そら、無理やろな。今年は」

 昨季の最優秀中継ぎ右腕にアクシデントが起きたのは、前日7月30日に香川県丸亀市で開催されたウエスタン・リーグ広島戦。再昇格へ向けた連投テストの2戦目で、1回無安打無失点の好投。しかし投球中に左脇腹を負傷したもようだ。一夜明けたこの日、5年目右腕は兵庫県内の病院を受診し、「左脇腹の筋挫傷」と診断された。

 同じく左脇腹を負傷したロッテ・佐々木朗は全治2カ月と報じられた。「令和の怪物」の症状に照らし合わせれば、復帰に相当な時間がかかる可能性が高い。さらに、岡田監督は「9月になって“入れ替え、入れ替え”はあかんよ」とも宣言。先発、中継ぎともに8月中に戦力を絞り込み、優勝争いヤマ場の9月を迎える算段を立てていることから、たとえ回復をしたとしても、割り込むのは難しい状況が予想される。

 湯浅にとって今季は苦闘の連続だ。3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での世界一を手土産にして臨んだ序盤戦こそ立て続けに5セーブを挙げたものの、4月16日に再調整を理由に1軍登録から外れた。復帰後も調子が戻らず、6月16日に再び2軍へ。「右前腕筋挫傷」を理由に球宴を辞退するなど以前から不安があった右前腕の完治を優先させ、じっくりと調整していた。1軍復帰が間近に迫ったところで、また故障が起きてしまった。

 150キロ台の直球と鋭いフォークで空振りを取れる湯浅は、万全の状態ならば大きな戦力だった。不在の間でもチームは崩れなかったとはいえ、復帰が厳しいとなれば、18年ぶりの「アレ(優勝)」がかかる終盤戦の大きな痛手だ。指揮官は「治ったら使うけど」とわずかな希望を残していることから、ポストシーズンで切り札になる可能性は残されているものの、明るい状況でないことは確かだ。(倉世古 洋平)

 ▽ロッテ佐々木朗は最短でも2カ月 7月24日のソフトバンク戦で左脇腹の痛みを訴え、翌25日「左内腹斜筋損傷」の診断で出場選手登録を抹消。吉井監督は全力投球ができるまで最低2カ月。回復の状況次第では今季絶望となる可能性も示唆している。

 《湯浅の経過》
 ▽6月15日 オリックス戦で救援失敗。1点リードの9回に同点、逆転の2被弾。岡田監督が2軍再調整を決断
 ▽16日 出場選手登録を抹消。鳴尾浜の2軍に合流
 ▽20日 4日間のノースロー調整を経てキャッチボール再開
 ▽28日 球宴ファン投票、抑え投手部門で選出される
 ▽7月10日 右前腕筋挫傷のため、球宴出場辞退を発表
 ▽15日 降格後初のシート打撃登板
 ▽23日 降格後初実戦の日本海リーグ・富山との練習試合に登板。1回を無安打無失点、最速151キロ
 ▽26日 2軍ソフトバンク戦で1回を無安打無失点
 ▽29日 2軍広島戦の丸亀遠征に参加。1回を1安打無失点
 ▽30日 1軍復帰への連投テスト。2軍広島戦で1回を無安打無失点も、左脇腹を負傷

《岡田監督悠然「ええやつ使う」》○…湯浅不在の間にブルペン陣の整備を進めたとあってか、岡田監督は悠然としていた。「全然、なんとも思ってないよ。ええやつを使うだけであって」。守護神は17セーブの岩崎で固定。勝ちパターンは、岩貞、加治屋、島本に加え、復帰間近の石井らでやりくりするもようだ。2年目の桐敷は、ロングリリーフもできる戦力として見込んでいる。

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