土浦日大 開幕戦史上初の延長タイブレーク制した 10回に一挙6得点

2023年08月07日 05:30

野球

土浦日大 開幕戦史上初の延長タイブレーク制した 10回に一挙6得点
<上田西・土浦日大>延長10回2死満塁で左前適時打を放つ土浦日大・塚原(撮影・成瀬 徹) Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権記念大会 1回戦   土浦日大8-3上田西 ( 2023年8月6日    甲子園 )】 開幕戦では土浦日大(茨城)が、春夏通じて開幕戦初の延長タイブレークを制し、甲子園大会タイブレーク史上最多となる6得点を10回に一気に奪い快勝。上田西(長野)を8―3で下した。聖光学院(福島)は9―3で共栄学園(東東京)に勝利した。
 声援が戻った4年ぶりの夏。「熱男」と自負する土浦日大の主将・塚原歩生真(ふうま=3年)は、一塁アルプスへ力強く右腕を突き上げて吠えた。開幕戦では春夏通じて初めての延長タイブレーク。同点の10回は無死一、二塁から始まり、1点を勝ち越してなお2死満塁で貴重な左前適時打を放ち「熱い男なので無意識に出ちゃいました。勝てて最高です」。この一打で勢いづいた打線はここから5連打で、甲子園大会のタイブレーク史上最多6得点をこの回奪い試合を決めた。

 「もう一回グラウンドに立たせてくれた仲間に感謝、感謝です」
 先月24日の茨城大会準決勝で左側頭部に死球を受け、意識を失い救急搬送。夕方には意識が戻ったが48時間は運動禁止と言われ、26日の決勝は出場できなかった。チームが9回に3点差を逆転して甲子園を決めてくれると、涙を流して喜んだ。

 試合でのプレーは2週間ぶりだった。今春の県大会決勝と関東大会2回戦は、ともに延長タイブレークの末に敗れており「三度目の正直。もう負けられないという思いで必死でした」と塚原。さまざまな場面を想定して練習を重ねてきた。今春からタイブレークが10回からに早まった甲子園で成果を発揮し「全員が勝ちたい思いを出せた」と胸を張った。

 同校にとって86年以来37年ぶりの勝利は、01年の常総学院以来、22年ぶりとなる茨城勢としての開幕戦勝利。下妻二時代も含めて春夏通じて5度目の挑戦でうれしい初勝利をつかんだ小菅勲監督は「30年やって、やっと1勝。甲子園での勝利は格別だなと思います」と笑みを浮かべた。

 2回戦も勝てば、同校初の甲子園2勝だ。「まだまだここから。一つ一つ勝利を積み重ねたい」と主将。最高の仲間との熱い夏はまだ始まったばかりだ。(村井 樹)

 ◇塚原 歩生真(つかはら・ふうま)2005年(平17)5月28日生まれ、栃木県出身の18際。上三川クラブで小2から野球を始める。上三川中では上三川ボーイズに所属。土浦日大では1年夏からベンチ入りし、2年夏から正捕手。高校通算本塁打は12本。憧れの選手はソフトバンク・甲斐。50メートル走6秒1、遠投110メートル。1メートル74、75キロ。右投げ右打ち。

 ▽タイブレーク 甲子園大会では18年から採用された。試合の早期決着を図るため無死一、二塁から攻撃を開始。当時は延長13回からの適用で、18年夏の1回戦、佐久長聖(長野)5―4旭川大高(北北海道)で初めて行われた。21年からは決勝戦でも採用が決定。今春から選手の障害予防などのため開始を延長10回からに変更した。

 ▼土浦日大・松田陽斗(3年、2回に中越えへ大会第1号の先制ソロ)甲子園のYouTubeホームラン集、そこの最初に出られると考えるとうれしいです。

 ≪藤本10回から再登板で流れ呼んだ≫先発した藤本士生(3年)が、130キロ台中盤の直球とスライダー、チェンジアップを織り交ぜ、緩急で上田西打線を幻惑した。2―2の8回2死で走者を許し、一塁に退いたが、8―2の10回タイブレークで再登板。連続三振など打者3人で抑えて勝利を手にした。「自分は緩急をうまく使える。初めての甲子園のマウンドで、序盤は緊張したが、後半は楽しめた」。計8回2/3を6安打3失点(自責2)。小菅勲監督は「最後はエースでと思って残していた」と信頼を寄せていた。

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