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ツインズ前田が語るハイブリッド手術 強度アップ、リスク、リハビリ期間…「今後は通常の手術になる」

2023年09月23日 09:45

野球

ツインズ前田が語るハイブリッド手術 強度アップ、リスク、リハビリ期間…「今後は通常の手術になる」
エンゼルス戦前に取材に応じるツインズの前田(撮影・柳原 直之) Photo By スポニチ
 ツインズの前田健太投手(35)が22日(日本時間23日)、本拠地エンゼルス戦前に取材に応じ、自身が21年9月に受けた右肘のハイブリッド手術について語った。
 同手術は、人工じん帯を入れてより強化する「インターナル・ブレース」と、自身の腱を移植するトミー・ジョン手術を同時に行う手術法。大谷の手術法が前例のない最先端手術の可能性がある中、米メディアには「インターナル・ブレース」が採用されたとの見方もある。

 以下、前田の一問一答全文。


 ――地区優勝までマジック1。チームの雰囲気は。
 「雰囲気は良いですね。1年を通してすごく良い雰囲気で野球ができていると思います。もうすぐ決まるということで楽しみです」

 ――右肘の手術後の不安がなくなり調子も上がってきている。
 「春先は少しなかなか調子が上がらなかったですね。IL(負傷者リスト)にも入ったりましたけど、ILから戻ってきてからもすごく不安なく、順調に投げられていますし、チームの勝利に貢献できていると思います。凄く充実した1年を過ごすことができていますし、チームの状態も良いです。とにかくここから大事な試合が続きますし、なんとかチームの勝利に貢献できるように引き続き頑張っていきたいです」

 ――エンゼルスの大谷が2度目の右肘の手術を受けた。手術の詳細は明らかになっていないが、ハイブリッド手術を受けた可能性もある。同手術を受けた経緯について。
 「普通のトミー・ジョン手術と人工じん帯を入れるということに関して、強度が強くなるということと、あとはリスクとリハビリ期間が全く変わらないっていう説明を(医師から)受けて、新しい方(ハイブリッド手術)を選んだんですけど。今後、トミー・ジョン手術をする選手で、恐らく古い手術する人はいなくなると思います。僕より前にグラスノー(レイズの先発右腕)とかも(ハイブリッド手術を)やっていますけど、恐らくその手術が、今後通常の手術になってくると思うので。いろいろとリスクとか強度を考えた時に元の(通常のトミー・ジョン手術)を選ぶ選手はいなくなるんじゃないかなと思います」

 ――ハイブリッド手術は症例が少ないが決断の理由は。
 「ほとんどリスクもないという話も(医師に)していただきましたし、ほぼトミー・ジョン手術と同じリハビリ過程だったりとか、戻るにあたって戻れる確率も変わらないという中で、米国でトミー・ジョン手術をした選手の8割くらいはしっかりと元の状態に戻っています。トミー・ジョン手術に関してはたくさん実例があるので、たくさん先生やリハビリの担当の方にしっかりと術後にサポートしてもらえたので、それに関して僕は不安はなかったです」

 ――エンゼルスの大谷にアドバイスは。
 「アドバイスは全くないですけど(笑い)。翔平は1回(トミー・ジョン手術を)やっているので。正直、1回目と2回目の違いとか、リハビリ過程とか2回やっていないので分からないですけど。1回やった中でリハビリの過程とか復帰のプロセスは彼自身理解していると思うので。正直アドバイスすることは何もないんですけど、人それぞれ症状も違いますし、進み具合も違うので、それは人それぞれかなと思います。翔平に関してはケアだったり、野球に対する取り組みが完璧な選手なので。そこに関しては大丈夫だと思います。本当に何も分からないので、何とも言えないですけど」

 ――人工じん帯の手術は異物反応による違和感が強いとされる。
 「僕はそこまで感じないですけど。僕自身手術するまでの1年、ずっと(右肘が)痛かったので。日常生活にも支障を来すくらい痛かったので。正直、痛みがなくなったことが幸せなことだったので。人によって違うと思いますけど。1球で(じん帯が)切れたとか、僕みたいにずっと1年間痛みがあって手術に踏み切ったとか、人によって変わると思いますけど。僕の場合は長期間、痛みを抱えながらやっていた中での手術だったので正直、手術後痛みがないっていうほうが幸せでした。そこまで違和感やなんか(異物が)入っているなという感じはなかったです」

 ――日常生活では歯を磨くのも痛かったか。
 「歯を磨くのも痛いし、シャンプーもいたいし、ハンドソープも(ポンプを)押すのも痛かったです。ご飯を食べるのも痛いんですけど、全部が痛かったのでそれがなくなったのは僕の中では幸せでしたけど」

 ――違和感はどれくらいで消えたか。
 「日常生活の違和感はないんですけど、投げている違和感はないですけど、投げた後ですかね。手術前なら出ない張りが出たりとか。投げている感覚も自分がいつも通り投げているフォームだと思っていてもちょっとズレが出ていたりとか。僕の場合、痛みをかばいながら投げていたので、ずっとそのフォームが染み付いていたりとか。ILに入って投球フォームを見直す時間があったので、そこで従来のフォームに近いフォームで復帰することができたので。そこからは変な肘の張りとか、そういうのは全く出なくなったので。自分が気付かないズレだとかもしかしたら出るかもしれないですね」

 ――シーズン序盤は考えすぎていたか。
 「投球フォームもいろいろと見直そうと手術中に思ったりしていろいろ試行錯誤はしていましたが、実際に試合で投げてみないとどれがいいか分からない部分があったので。スプリングトレーニング中にいろいろ試しながらやっていたんですけど、なかなかしっくりこないまま開幕してしまったので。正直その辺りの不安は持ちながら投げていたんですけど、その中で(右肘に)張りが出たりとかして、やっぱり投球フォームがおかしいのかな、自分に対して自信が持てない期間が4月中はあったので。そのあたりは悪い方に結果として出てしまったかなと思います」

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