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阪神・中野 二塁でも狙え 球団史上初「複数ポジションで2年連続ベストナイン」へ残り9戦ラストスパート

2023年09月23日 05:15

野球

阪神・中野 二塁でも狙え 球団史上初「複数ポジションで2年連続ベストナイン」へ残り9戦ラストスパート
練習中に笑顔を見せる中野(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 阪神は22日のヤクルト戦(神宮)が降雨中止となった。8連戦の3戦目に訪れた“休養日”に、チームで唯一全試合フルイニング出場を続ける中野拓夢内野手(27)も“恵みの雨”を強調。視界に捉える最多安打のタイトルに加え、残り9試合の躍進次第では二塁手部門でのベストナイン獲得も十分可能。昨季は遊撃手部門で同賞に輝いており、複数ポジションで2年連続ベストナインとなれば球団史上初。猛虎の歴史に名を刻むべく、若武者がラストスパートを駆け抜ける。
 試合前の練習中から強まった雨脚は一向に弱まることはなかった。午後6時30分に中止が決定。12日から7連戦を消化し、1日空いて、20日から8連戦の真っただ中だった。この日は神宮球場へ当日移動でもあった。過酷な日程に突如訪れた“恵みの雨”に、猛虎ナインは皆、安堵(あんど)した表情を浮かべていた。中でも今季は全試合フルイニング出場を続けている中野は、特に顕著だった。

 「連戦でしたし、自分の状態的にも、1日空けば良くなるかもしれない。(雨を)プラスに捉えてやっていきたいなと思う」

 もはや「2番・二塁」の座は代えが利かない。打率・285、18盗塁。安打数153は4本差のDeNA・牧、3本差の中日・岡林と激しく頂上を争っている。中でも牧は同じ二塁手。本塁打はもちろん、打率も中野の上を行く。打撃成績などを基に全日程終了後に発表される大きな栄誉「ベストナイン」の最大のライバルになり得るのだ。

 普段から個人タイトルには欲を見せない中野だが「優勝」というアドバンテージに加え、残り9戦の成績次第では十分に勝てる可能性を秘める。昨季、遊撃手としてベストナインをつかんだ若虎が今季、二塁手として同じ勲章を得れば、複数ポジションで2年連続のベストナイン。猛虎の長い歴史でも、初の偉業となる。

 「最多安打がどうこう、というよりは、本当にケガなくフルイニングで最後まで出るという気持ちでやっている。その中でヒットが打てればいいかな、ぐらい。最後まで試合に出続けることを意識してやっていきたい」

 中野が最重要視する全試合フルイニング出場は、球団の二塁手に限ると、1962年の鎌田実、90年の岡田彰布以来3人目。32年間閉ざされたままだった重い扉をこじ開ければ、その先には自身初の「ゴールデングラブ賞」も見えてくるだろう。広島・菊池が13年以降、一人で守り続けてきた栄冠を奪うチャンスも大いにある。

 泣いても笑ってもシーズンの残りはたった9試合。最高の一年を数々のタイトルで彩るべく、V戦士はフルスロットルで突っ走る。(八木 勇磨)

 ≪セでは過去4人≫中野は昨季遊撃でベストナインを初受賞。今季二塁で受賞すれば、今岡(二塁(2)、三塁(1))に続くチーム4人目の複数ポジション受賞になる。連続シーズンでの受賞はチームの達成者はなく、セ・リーグでは村上(ヤ=20年・一塁、21年・三塁)まで過去4人。最新はパの吉田正(オ=21年・外、22年=DH)がある。

 ≪初のGグラブ賞も視野≫目下岡林(中)と2人、全イニング出場を継続中の中野は初のゴールデングラブ賞受賞も視野。二塁手部門は現在守備率トップの菊池(広)が13年から10年連続で独占中。中野は現在守備率では4位ながら、刺殺+補殺の合計730、併殺数97はトップに立っている。

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