阪神の守備力は本当に低いのか? 数字だけでは測れない

2023年09月27日 08:00

野球

阪神の守備力は本当に低いのか? 数字だけでは測れない
<神・ヤ>5回2死、西勇が弾いた打球をカバーし、ジャンピングスローで遊ゴロとする小幡(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神2―0ヤクルト ( 2023年9月26日    甲子園 )】 【畑野理之の談々畑】西勇輝が7回を2安打無失点で8勝目。野手は大山悠輔の2ランしか援護できなかったが、好守で盛り立てた。5回2死の中村の投手強襲のライナーがグラブをはじくと、遊撃・小幡竜平が猛チャージして素手でつかんでランニング送球。7回1死からの村上宗隆の大きく弾む二ゴロも中野拓夢が前進してきて逆シングルで拾い上げた。スタンドからも大きな拍手・歓声が注がれた。この日は無失策。守り勝ちだ。
 ずっと気になっていたことがある。阪神の守備力は本当に低いのか。いや、決してそんなことはないだろうと思う……。
 チーム失策数80はリーグ最多。2018年=89失策、19年=102、20年=85、21年=86、そして22年=86で昨年まで5年連続リーグワースト。不名誉な記録は今年6年に伸びる可能性はある。ちなみに26日終了時で広島78、中日77、ヤクルト67、DeNA65、巨人51。

 確かに数字を見れば少なくはない。まだ5試合が残っており、昨年よりも大幅に減ったとはいえない。同じペース、もしくは増える可能性もある。しかし阪神のリーグ優勝を1年間追ってきたが、守り勝ったという印象が強い。なので、不思議に思っていた。

 記録部に、甲子園球場で行われた試合だけの失策数を調べてもらった。すると61試合で阪神が38失策。対戦した他8球団(セ5、交流戦でのパ3)の合計が45失策。同じ条件なら阪神の方が7つも少ない。やっぱりだと思った。リーグで断然に最少51失策の巨人でも、甲子園に限ればたった13試合で10失策もしている。

 甲子園球場は内野は土、外野は天然芝、屋外なので風も吹く。内外野とも危険が潜んでいる。なので失策数はどうしても増える傾向にある。岡田彰布監督も「エラーの数は気にしない」という考え方だとし、ずっと「勝負どころでの守備が大事」だと言ってきた。

 先述のデータはあくまで甲子園だけの限られたもの。そして、じゃあ甲子園だからエラーしても仕方がないと言うつもりもない。木浪聖也―中野はリーグ屈指の二遊間だ。一塁手・大山のハンドリングは素晴らしく佐藤輝明からのショートバウンド送球を助けたのを何度も見た。数字だけでは守備力は測れないと思った。

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