巨人ついに完全終戦…屈辱の2023年を振り返る 4月だけで3度の最下位転落 3年連続借金なら球団初

2023年09月29日 22:05

野球

巨人ついに完全終戦…屈辱の2023年を振り返る 4月だけで3度の最下位転落 3年連続借金なら球団初
8月17日中日戦の7回、降板となりベンチに戻る菅野(左)とマウンドに向かう原監督 Photo By スポニチ
 巨人の今季順位が2年連続となる4位で確定した。
 この日は試合がなかったが、3位のDeNAが阪神戦(横浜)に勝利して4ゲーム差。仮に残り試合でDeNAが全敗して巨人が全勝したとしても追いつけず、4試合を残して逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が完全消滅した。シーズンを通して首位と2位は一度もなく最高順位は3位だった。

 巨人の2年連続Bクラスは2005年(5位)、06年(4位)以来17年ぶり球団2度目の屈辱。05年は堀内恒夫監督、06年が原辰徳監督で、2019年から3度目の指揮を執り今季が通算17年目のシーズンだった原辰徳監督(65)は球団史上初めて同一監督での2年連続Bクラスとなる。

 開幕から誤算続きだった。開幕投手に内定していた菅野が3月に右肘違和感を訴えて登板回避。ビーディが球団史上初となる新外国人開幕投手を務めて6回2失点と奮闘したが、中日に敗れて黒星発進となった。

 結局、菅野の1軍復帰は6月までずれ込み、ここまで4勝8敗。原監督から新エースの称号を得た戸郷は12勝5敗、山崎伊は9勝5敗と奮闘したが、両投手とも好投しながら援護に恵まれず敗戦となるケースも多かった。

 昨季はプロ野球初年度の1936年を除くと史上初となる同一シーズン8人の初勝利投手を輩出した。だが、その8投手で今季も年間を通じて結果を残したのは山崎伊だけ。

 腰痛に苦しんだ中川が2年ぶり登板を果たして13セーブ17ホールドと復活を印象づけた一方で、新人最多タイの37セーブを挙げて昨季新人王に輝いた大勢は右上肢のコンディション不良で6月末から3カ月近く戦列を離れたこともあってここまで14セーブにとどまった。

 4月14日には球団として1770日ぶり、原政権下では4006日ぶりとなる単独最下位に転落するなど、4月だけで3度の単独最下位転落を経験。5月12日には73年ぶり2度目の球団ワーストタイ記録となる延長戦7連敗も喫した。

 それでも、4月21日に最大6までふくらんだ借金を地道に返し続け、坂本の逆転サヨナラ3ランで6連勝を飾った6月16日には貯金5までV字回復。だが、自力Vに王手をかけていた6月18日の楽天戦に1点差で敗れて9年ぶり交流戦優勝を逃すと、前半戦を40勝42敗1分けの4位で終えて原政権下では初となる2年連続借金ターンとなった。

 その後は勝率5割ラインを挟んで行ったり来たり。8月9日に自力Vが消滅すると9月12日には3年連続V逸が決まり、9月14日には目の前で阪神の18年ぶり6度目Vを見せつけられた。阪神戦は6勝18敗1分け、広島戦は8勝17敗と上位2チームだけで借金21。阪神戦のシーズン18敗は不名誉な球団ワースト記録更新で、独走Vを許す要因にもなった。

 大黒柱の坂本は開幕22打席ノーヒットという自己ワースト発進も徐々に実力を発揮。新人・門脇の台頭もあって9月7日のヤクルト戦(神宮)でプロ17年目&通算2081試合目にして「人生初」の三塁へコンバートされると、2試合連続猛打賞をマークして一時セ・リーグ打率2位まで浮上するなど健在ぶりを見せつけた。

 主砲の岡本和も6月に交流戦MVPに輝いたほか、8月には球団右打者単独最多の月間12本塁打をマーク。ここまで球団生え抜き右打者最多となる41本塁打を放っているが、そのうち28本がソロ弾だった。チームとしても優勝した阪神の倍以上にあたる12球団最多の163本塁打をここまで放っているが、そのうちソロ弾が100本。チーム、個人とも本塁打数のわりに得点数は伸び悩んだ。

 9月25日のDeNA戦に4安打13三振で0―1と敗れ自力でのCS進出が消滅すると、翌26日の同戦も5安打8三振で0―1敗戦。巨人が2試合連続で0―1敗戦を喫するのは23年ぶりの屈辱となった。それから3日後。試合のない日に静かに“終戦”の瞬間を迎えた。

 なお、巨人はここまで68勝69敗2分けの借金1で残り4試合。2021年は借金1、22年は借金4でシーズンを終了しており、3年連続の借金フィニッシュとなればこちらも球団初の屈辱となるが、意地を見せられるか。

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