米記者がメジャー監督の給料は安すぎると指摘 年俸約1億5000万円以下が6人 大学野球の方が高い?

2023年10月09日 09:28

野球

米記者がメジャー監督の給料は安すぎると指摘 年俸約1億5000万円以下が6人 大学野球の方が高い?
ブルワーズのクレイグ・カウンセル監督(左)=AP Photo By AP
 USAトゥディ紙のボブ・ナイチンゲール記者がメジャーの監督の給料は安すぎると指摘している。
 15年前ヤンキースのジョー・トーリ監督の年俸は750万ドル(約11億円)だったが、その時から下がっている。ドジャース史上最も優秀な成績を収めているデーブ・ロバーツ監督の年俸は325万ドル(約4億8000万ドル)。21年ブレーブスを世界一に導いた時のブライアン・スニッカー監督の年俸は120万ドル(約1億8000万円)だった。現在年俸100万ドル(約1億5000万円)以下が6人、15人が175万ドル(約2億6000万円)以下という有様だ。来季、年俸300万ドル(約4億5000万円)以上をもらうことが決まっているのは6人だけである。

 大学野球の監督の方が良い給料をもらっているケースも少なくない。年俸247万ドル(約3億7000万円)のバンダービルト大のティム・コービンを筆頭に、10人が120万ドル(約1億8000万円)以上だ。あるメジャー監督は「大学の監督の方が給料が良いなんて明らかにおかしい。だからプロを辞めて大学に行く人が出てくる」と嘆いている。ちなみに米国で圧倒的な人気を誇るカレッジフットボールのヘッドコーチたちは年俸600万ドル(約9億円)以上が25人もいる。アラバマ大のニック・セイバンコーチは1140万ドル(約17億円)ももらっている。

 メジャーの監督の給料が上がらないのは、編成本部長やGMの方が権限が大きく、給料も上だからだ。ニューヨークポスト紙のジョン・ヘイマン記者はメッツのデビッド・スターンズ編成本部長が5年総額5000万ドル(約74・6億円)で契約したと報じている。前出の監督は「セイバーメトリックの若い連中が、たくさんの給料をもらっている。彼らは監督もできると思っている」と漏らす。現役の監督が昇給を求めると、他の人を探すと脅されてしまう。

 一方で新人監督は、メジャー選手の最低年俸80万ドルより安い金額であっても、喜んで仕事を受けてしまう。メジャーの監督やコーチを長く勤めれば勤めるほど、引退後に受ける年金が満額に近づくからだ。安くても、雇ってくれてありがとうとなる。メジャーは年に108億ドル(約1兆6000億円)の収益を上げる巨大な娯楽産業だ。しかしながらこういった現状ゆえ、監督の給料の平均は23年に50%も下がったそうだ。「この国のどの産業でも、CEOや社長のサラリーが50%も下がるなんて他にはない」と前出の監督は呆れている。

 ナイチンゲール記者はブルワーズとの契約が切れるクレイグ・カウンセル監督に期待している。今季は350万ドル(約5億2000万円)だったが、FAとなり、来季は少なくとも500万ドル(約7億4600万ドル)、あるいは600万ドル以上(約9億円)のサラリーをもらってメジャーの監督の相場を上げて欲しいという。カウンセル監督はブルワーズで一緒に仕事をしたスターンズ編成本部長のいるメッツに移籍する可能性もあると噂されている。

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