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阪神・木浪 球団初のCSサヨナラ打で日本シリーズへ王手 「恐怖の8番」満塁男が勝負強さ発揮

2023年10月20日 05:15

野球

阪神・木浪 球団初のCSサヨナラ打で日本シリーズへ王手 「恐怖の8番」満塁男が勝負強さ発揮
<神・広>9回、サヨナラ適時打を放った木浪(手前中)を中心に喜ぶ阪神ナイン(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【セCSファイナルS第2戦   阪神2ー1広島 ( 2023年10月19日    甲子園 )】 「2023 JERAクライマックスシリーズ(CS)セ」のファイナルステージ(S)第2戦が19日に行われ、阪神が広島に劇的なサヨナラ勝ちを収めた。1―1で迎えた9回2死満塁、木浪聖也内野手(29)が右前打。今季レギュラーシーズンで満塁機に打率・444(18打数8安打)の「満塁男」が試合を決めた。2連勝のチームはアドバンテージを含めて3勝0敗。14年以来9年ぶりの日本シリーズ進出へ王手をかけた。
 「恐怖の8番」は、ポストシーズンでも健在だった。木浪が、レギュラーシーズンから存在感を示し続けた満塁機でまた、試合を決めた。

 「坂本さんがフォアボールで出てくれて“任せたぞ”と合図を出してくれたので、何とかここで決めようと」

 9回2死。7番の坂本が四球を選んで満塁とすると、木浪を指さし「任せた!」とハッパをかけた。木浪も「よし!」と声を上げ、腹を決めて打席へ。広島・栗林の前に2球で追い込まれながら、粘りを見せた。カウント1―2からの6球目、やや浮いてきたフォークを捉えた打球が一、二塁間を破った。

 今季のレギュラーシーズンで満塁時の打率・444(18打数8安打)、1本塁打、19打点を誇った男が、ここでも無類の勝負強さを発揮。駆け寄ったチームメートにもみくちゃにされながら一、二塁間でウオーターシャワーを浴び「ヘルメットをめっちゃ叩かれて、頭めっちゃ痛くて(笑い)、水冷たいし。でも、みんなに歓迎されたのでうれしかったです」と余韻に浸った。

 今季、5年目で初めて1軍でシーズンを完走。その要因の一つにメンタル面の安定があった。

 「良い時も悪い時も、気持ちが一定になっているなと」

 甲子園での試合前には必ず、テンションの上がる洋楽のヒットチャートを聞きながらベンチ入り。ただ、音楽を聴くだけでない。「そこでテンションが上がれば、気持ちが落ちている証拠。逆にテンションがそこまで上がらなければ、もう試合に入る準備はできている」と、試合直前まで自らのコンディション面をチェックすることで、一年間安定した成績を残した。

 「ずっと一年間、8番で木浪がキーポイントになっていたんだけど。まあ、ここにきてほんと、よく打ちましたよね」

 シーズン中から打って良し、つないで良しの木浪の活躍に、岡田監督も最大級の賛辞の言葉を並べた。過去のプレーオフとCSで、無傷のまま王手をかけたチームの突破率は100%。ヒーローインタビューで「明日(20日に突破が)決まりますけど、今日みたいな足の震える応援をよろしくお願いします」と木浪。球団9年ぶりの日本シリーズ進出は、もう目の前だ。(石崎 祥平)

【突破率100%】○…阪神が連勝しアドバンテージの1勝を含め3勝0敗。ファイナルS突破に王手をかけた。これまでプレーオフとCSで無傷のまま日本シリーズ出場に王手をかけた22チームは全て勝ち抜いており、突破率は100%。阪神は20日の第3戦で勝つか引き分ければシリーズ進出が決まる。

○…木浪(神)が9回、右前へサヨナラ打。プレーオフ、CSのサヨナラ勝ちは通算16度目。ファーストSの広島(セ第1戦)、ロッテ(パ第3戦)に続き、同年度に3度は史上初。阪神はCSでは初めて。日本シリーズを含むポストシーズンでは、62年VS東映第1戦(10回・吉田義男=二塁打)、03年VSダイエー第3戦(10回・藤本敦士=犠飛)、同第4戦(10回・金本知憲=本塁打)に続く20年ぶり4度目。

 ○…木浪は今季レギュラーシーズン20度の満塁機で18打数8安打の打率・444、1本塁打、19打点。殊勲安打12本のうちプロ初サヨナラ打の5月3日、中日戦を含む5本を満塁機で記録。3本が決勝打になっている。

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