本命視されるドジャースは大谷加入で最も強くなるチームではない、戦力的にむしろフィットするのは…

2023年11月11日 13:04

野球

本命視されるドジャースは大谷加入で最も強くなるチームではない、戦力的にむしろフィットするのは…
大谷翔平(AP) Photo By AP
 米ネットサイト「ザ・スコア」のトラビス・ソーチック記者が、大谷翔平投手の移籍先について、独自の考察をしている。
 日本ハムからメジャーに移籍した17年のオフ、大谷はお金では球団を選ばなかった。というのは、最後に残った7球団のうち、国際選手に使える契約金の額で、カブス、ジャイアンツ、ドジャース、パドレスなどは30万ドル以上は出せない状態だったが、それでも最終候補に残ったからだ。

 そしてその契約金額枠でレンジャーズ、マリナーズの方が高い金額を用意していたのに、大谷は230万ドルと3番目のエンゼルスを選んだ。今大谷の行先を巡る米国の報道は、お金を最優先に考え、球団を絞り込もうとしている。それがFA市場というものだからだ。

 しかし、ソーチック記者は、17年オフのように今回もお金で決まらないのではと見る。そしてエンゼルスで6年間プレーした経験から、勝つことを優先し、そのためには組織力が大事と考えているのではと見ている。

 ドジャースが最有力とされているのは理解できるという。西海岸にあり、資金力もあり、常勝チームだからだ。

 一方でMLB機構は人口が多くTV視聴者数も圧倒的に多い東海岸でプレーしてくれることを望んでいるという。とりわけニューヨーク・ヤンキースに入れば米国のメディアは桁違いの注目度を野球に示すことになる。とはいえ大谷がどう考え、何を優先するかは、本人でないとわからない。

 そこでソーチック記者は、大谷がポストシーズンに出られて、最も勝つ手助けができるチームはどこなのかという観点から、絞り込みを試みている。そこで来季優勝争いに絡むのが難しい、23年に75勝以下の球団は省いた。加えてうわさされている大谷の高額のサラリーを払えないであろう球団も含めなかった。

 まず大谷のパワーを必要とするチームだ。今の投手はレベルが高く、三振奪取率が高いから、特にポストシーズンでは連打は見込めない。近年のポストシーズンゲームは本塁打や長打で決着がつくことが圧倒的に多い。この点で大谷が助けられるのはそこが弱点のチーム。23年のヤンキースは長打率が全体22位の・397だったし、ジャイアンツは27位の・383だった。ホームラン数で見ると、ブルージェイズは188本で16位、ジャイアンツは174本で19位だった。

 続いて右打者に偏っていて打線のバランスの悪いチームも、左打者の大谷が入ればレベルアップする。wRC+(平均的な打者に対する得点力の大きさをパーセンテージで表した指標。100の打者は平均的で、リーグの違いやパークファクターも考慮)で見ると、対右投手の成績でジャイアンツは94、ヤンキースは89と平均以下だった。そして右投手に対して左打者が打席に立つ回数はヤンキースが1483打席、ブルージェイズが1520打席と少なかった。ヤンキースタジアムは本塁打王ベーブ・ルースを生んだように左打者に有利なのに、今現在は左打者が少ないのである。

 球場の特徴も重要だ。過去3年間、特に左打者に有利とされたのはレッドソックス、カブス、フィリーズ、レンジャーズ、ブレーブスの球場だ。一方で投手に有利なのはマリナーズ、パドレス、メッツ、ジャイアンツ、ヤンキース、ドジャースの球場。二刀流大谷が、打者として有利な球場を選ぶのか、投手として有利な球場を選ぶのかも興味深い。

 以上の考察から、ソーチック記者は最有力とされるドジャースは大谷が入ることで最もチーム力が向上するチームではないと結論付ける。

 代わってジャイアンツ、レッドソックス、ヤンキースをトップ3に挙げている。ジャイアンツに入ればサイヤング賞を狙いやすくなるし、大谷のパワーならオラクルパークでもバリー・ボンズのように本塁打を量産できる。ヤンキースなら大谷とジャッジの「OJ砲」で、強力打線が復活するのである。

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