TORACO戦略で女性ファン拡大…リアルな声大切にチームとファンの架け橋 球団営業部の上村菜穂子さん

2024年02月10日 05:15

野球

TORACO戦略で女性ファン拡大…リアルな声大切にチームとファンの架け橋 球団営業部の上村菜穂子さん
阪神・青柳(右)らのTiktok撮影をする上村さん(左) Photo By スポニチ
 【新虎番突撃リポート 杉原瑠夏】スポニチ虎番に新しく加わった記者が、阪神のキャンプを支える人々の仕事に潜入するコーナー。杉原瑠夏記者(25)は、阪神球団の事業本部・営業部の上村菜穂子さん(33)に密着。大バズりした「TORACOダンス」の仕掛け人で、SNSを駆使して女性ファンを開拓する姿を追った。
 大学2年生だった5年前は友達と一緒に阪神のキャンプを満喫した沖縄県宜野座村。虎番の一人として訪れる日が来るとは…。選手らを追う練習日も合間を縫ってキャンプ休日用のネタ探し。女性であり、阪神ファンだからこそできることはないか…。ふと気付けば、球場には若い女性ファンの姿がたくさん。球団の取り組み浸透を象徴する光景だった。

 近年力を入れる「TORACO」戦略の一翼を担う上村さんは5日に沖縄入り。主目的は今年のTORACOイベント用の動画撮影でも、ファンクラブ会員用のサインボールを準備したり、会報誌の表紙やファンをキュンとさせる若手選手のTikTok(ティックトック)を撮影したり…と大忙しだ。若い女性にも阪神を知ってもらいたいという熱い思いで動いている。

 女性ファンのためのお祭り「TORACO DAY」は今年で11年目。入社6年目の上村さんが初めて担当した昨季の10周年(5月12~14日のDeNA3連戦)は3日間で過去最高の約5万人の女性ファンが来場するほどの盛況ぶりだった。営業部のファンクラブ・入場券担当で、ファンクラブ会員向けイベントも運営。チームとファンの架け橋と言っていい。

 一番大切にしていることはファンのリアルな声。「TORACO DAY」が開催される日は必ず球場へ足を運び、現地のファンに声をかけて感想を尋ねる。「自分がいいと思ったものが本当に良かったのか知りたい。ファンの方の期待に応えたい」。X(旧ツイッター)では1日2時間のエゴサーチが日課。球団SNSに寄せられるコメント全てにも目を通し、アプローチ方法を考える。

 西宮市の実家では父の影響で常に阪神―巨人戦のテレビ中継が流れる環境で育った。当たり前のように野球の情報が入ってきた当時とは違う。

 「今の若い子は、自分の部屋に行ってスマホで見る。そうなると自分たちがスマホの中に入り込まないといけない」

 そんな発想から新たな企画として誕生したのが虎党の間で話題になった「TORACOダンス」だ。TikTokで692万回、YouTubeでも98万回再生(ともに9日時点)されるほど大バズり。試合では見られない選手のおちゃめな表情が見られ、人気が出る理由もうなずける。

 「どんな入り口でファンになってもいい。全然野球に詳しくないけど、顔がかっこいいとか。少しでも入り口を広げて阪神タイガースの選手を知ってもらうきっかけになれば」

 上村さんのように、諦めず継続する努力の大切さを胸に虎番1年目、頑張ります!!

 ◇杉原 瑠夏(すぎはら・るか)1998年(平10)8月1日、大阪府箕面市生まれの25歳。21年4月にスポニチに入社し、総合コンテンツ部配属。24年1月から報道部に異動して阪神担当。幼稚園から空手を習い、中高はバレーボール部。高校野球が好きで愛読書は「甲子園の星」。趣味は映画観賞と読書。

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